彼はチョコレートの香り
でも、「怒ってる」なんて聞ける勇気はない
「葵…あんた怒ってるの?」
松田さんが佐藤先輩に歩み寄って問いかけた
返事はない
「……葵」
「一宮は…俺と舞子をくっつけたいの?」
佐藤先輩は冷たく言った
「ちっ違います!!」
急いで佐藤先輩の手を掴んだ…が、すぐに振り払われる
「じゃぁなに?」
佐藤先輩の冷たい視線に耐えきれず足元に視線を落とす
「葵!!ちょっときついよ!」
松田さんが慌ててフォローする
「だって…そんな風にくっつかれたら………嫌です…」
自然に口から出た