魔法石の密造人3/屯田兵村訪問、魔術道具協会へ

(メモ・資料)登場人物とあらすじなど

(登場人物)

〇アネット
本編の主人公(たぶん二十歳前後の娘)。表向きには町のパン屋の看板娘。
特定の魔法分野「付呪」の資質・能力があり、結晶質の石に攻撃や防御・回復の力を付与できる(多くは一度限りのみ使用可能な「使い捨ての魔法石」となり、およそ一ヶ月足らずの期間のみ効力を維持できる)。
世間に跳梁する魔族や親魔族マフィアに対抗するための道具として、ハンス・ファスと共に自作の魔法石を融通・販売に乗り出す。

〇ハンス・ファス
アネットの「幼なじみのお兄ちゃん」(おそらく二十代後半?)。新妻と子供が魔族犯罪者の犠牲になり、その仇をとるためにアネットが手をかしたことから、彼女の秘密・能力を知って協力するようになる。
ファス家は衣料品などの家内産業と雑貨商を営んでおり、ハンス自身も若親方・若旦那のような立ち位置にある。その人脈や情報網によって、必要とする人々にアネットの魔法石を販売(ときには無償譲渡)する仲介者・代理店のような役目。
※ようやくアネットが内縁の後妻になった。


〇ミケナ・フロラ
森林エルフの魔法使い(薬売りのお姉さん)で、かつて幼少時のアネットの魔法の資質を見抜いて、初歩的な訓練や助言を与えた。
エルフであるため老化が遅く、再会時にも若い女性の姿をしている。反魔族レジスタンスの「リベリオ屯田兵村」グループのメンバー。
※「れとりばりっく」参照。
※色々とポジティブな危ない一面も?

〇犬鳴(いなき)レトリバリクス/レト君
獣エルフ(いわゆる狼男)の少年。耳がドロップイヤー(垂れ耳)で、性格がレトリバー犬(温和・恭順で知的)やたまにビーグル犬(?)。
反魔族レジスタンスで屈指の猛者である魔術罠師トラ(トラッパー?)の義弟(姉のルパが恋仲で本人も友人・兄貴分)で、本格戦闘時には彼から貰った両手剣(大型剣)を背中に背負っている(普段には鍛錬に使用している)。
※「れとりばりっく」の主人公。
※危ない覚醒したアネットから「捕食」された。

・トラ
リベリオ屯田兵村の幹部で、屈指の魔法戦士(人間の魔術者で「魔術トラップ」を駆使する実力者)。トラバサミの鉄仮面を兜やヘルメットの替わりにしており、片腕は「若枝の義手」(人間の貴族から不意討ちされた事故が原因)。かつて倒した魔族男爵から奪ったフランベルク剣(燃える炎やノコギリのようなギザギザの刀身)を愛用。レトの兄貴分で、姉のルパの恋人・婚約者(夫?)でもある。

・トマス巡査
アネットやハンスの町の警官(通り名・あだ名の「~巡査」はイメージからの呼び名で、正式な地位は巡査長や刑事の可能性もある)。基本的には真面目・有能な善人であるが、能力の限界と不運などからしばしば失敗や悲劇に見舞われる。

・サクラ・ジャロスタイン
ドワーフ娘の女軍曹。体育会系の武闘派で頼りになる女傑(魔族ギャングを鉄拳や武器で処刑して睨みを効かせる)。カエデ・ジャロスタインの従姉で、ミケナ・フロラとは友人。


☆(備考)☆
クリュエル(原人騎士、魔法石器を制作する「リベリオ屯田兵村」の実質的な総指揮リーダー)やサキ(同村で幹部・サブリーダーのサキュバス姫騎士、父親が魔族の伯爵で混血ハーフ)などについては、「魔法石の密造人2」に、旧作&「れとりばりっく」からの転載資料あり。リベリオ屯田兵村などについてはそちらが詳しい。「ノベマ」アカウント(※リンクあり)の短編集も参照のこと(ただし暴力ジョークが多い)。

    --ー-ー-ー

以下、これまでのあらすじ。

(1)
魔法の資質がありながら、力を直接行使できない替わりに、巧みに魔法石を作る「付呪」の才能・センスに恵まれた娘アネット。幼なじみ(のお兄ちゃん)でもあるハンス・ファスの妻子のための仇討ちを助け、二人で魔族犯罪者をおびき出し、密かに討伐することに成功。その最初の事件をきっかけに能力の秘密を打ち明け、運命が動き出した。
二人は協力し、魔族やマフィアへの復讐と新しい悲劇を防ごうとついに行動を起こした。
人間と魔族が支配勢力圏を二分して争いあい、腐敗と策略が跋扈し、歪んだ裏協定に縛られた世界で、犠牲者たちの復讐と無力な人間を守るためのささやかな抵抗。ファス家の力と人脈を借りて「普通の人間でも魔族犯罪に対抗できる魔法石」を、密かに必要とする人々に販売する裏ビジネス。横行する魔族犯罪への牽制や反撃のために、裏で「密造」した魔法石を流通させ始めるのだった。


(2)
世の中は甘くない。よりいっそうに深刻だ。
アネットたちの動機がどうであれ、法の体裁上は脱法行為や私刑の幇助でもあり、ささやかながら「普通以上の力」を勝手に行使する危うさはつきまとう。感謝・好意や理解を示す者ばかりでなく、危ぶんだり、こころよく思わない者、利害が相反する者、欲望のための支配や管理下に置いて利用したがる者たちもいる。
今や人間領域での親魔族勢力の利権がらみ・腐敗とマフィアは政治・通商・司法・学問などにまで及んでいる。魔族支配下の領域での奴隷労働に加え、人間側での組織犯罪や裏ネットワークから得られる利益も膨大だからだ。魔法使い・魔術者の元締め組織である「魔術者協会」ですら例外ではなく、自らの政治権力・経済上の党派セクトの利益と偏った選民思想イデオロギーを最優先し、集団での無責任や裏切り行為すら辞さず、本来は協力関係にあるはずの軍(防衛職の戦士)・警察とまで対立している。そのために魔法武器・道具(魔法石も)の戦略物資としての価値と意義が増大し、製造や流通・配分を巡って、人間同士での争いと駆け引きが激化。「反魔族レジスタンス」を名乗る集団ですらも、現実は盗賊やマフィアまがいの者たちが少なくない。

一見は功を奏するかにみえた最初の滑り出しから、アネットはにわかに囚われてしまう。誘拐・拉致されて恐怖と戦慄の体験、屈辱的な裏オークションにかけられ、破滅や死すら覚悟するはめに。一方ではハンスがアネット救出のために反魔族レジスタンスの一派(リベリオ屯田兵村のグループ)との提携に踏み切る。
リベリオ屯田兵村では、軍(防衛の戦士団)に流通・配備される「魔法石器」や薬品・道具なども独自に製造しており、かつてアネットに最初の訓練を施したミケナ・フロラ(エルフ女性の魔法使い)も所属していた。彼らは魔術者や魔法の人員と権益への独占的な支配・管理権を主張する魔術者協会とは対立を深めているのだった(お互いに「反逆者」扱いや「腐敗・裏切り者の温床の巨大組織犯罪グループ」と認識するまでになっている)。
各勢力が動き出して遭遇・交戦し、アネットの身柄(と他の拉致被害者の救出や資材・金品)を巡って暗闘・大乱闘の地獄絵図が繰り広げられた
(※実際には人間オークション・拷問シーンや血みどろ乱闘は描写がほぼ省略で「簡単なあらまし・回想と説明」のみ)。


(3)
魔法の力を「付呪」して魔法石(使用期間と回数制限あり、使い捨て)を作る能力を持つ娘アネット(パン屋の看板娘)は、幼なじみの雑貨商・仕立屋の若親方のハンス・ファスと、横行する魔族犯罪・ギャングに立ち向かう。魔族犯罪の犠牲になったハンスの妻子の仇をおびき出して討伐した事件をきっかけに、必要とする人々に自作・密造の魔法石を有償・無償で融通し始める(魔族ギャングへの対抗手段になる)。
やがてアネットは腐敗のスパイと魔族ギャングによって拉致され、ハンスは軍(都市防衛の戦士団)や反魔族レジスタンス(の有力グループ「リベリオ屯田兵村」)と救出するが、とっくにアネットは半死半生(極限体験で人間変わっちゃった?)。だが古い先生でもあるエルフの女魔法使いのミケナ・フロラの協力で、地域に侵入した魔族を攻撃するトラップを仕掛け、防衛軍や警官隊も反撃を開始する。
ようやくハンスとの葛藤やわだかまりも解けたアネットは、新たに発足した「魔法道具協会」への登録のため、リベリオ屯田兵村へと向かう(※ここからの物語、予定)。現在の魔術者協会は親魔族ギャングで乗っ取られたり、歪んだ選民思想と党派権益で固まっており、もはや軍(戦士団)と共に人間陣営の社会や領域を守る存在ではなくなってしまっているのだった。
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