目隠しの姫君


慎は


あたしといて、居心地いいって思ってくれてるのかな。


単に、腐れ縁なだけ?


……あたしだけ?


こんなふうに思うのは。




あーーーー!!


らしくない!


何こんな事で悩んでんの!?



慎とは、仲の良い友達で。


それは、彼女が出来たって変わらない。


変わるわけない。


だから


怖がる必要なんてないんだ。




――――怖がる?



あたし怖いの??



何、これ。



いつの間にできたのか、すっきりしない胸のしこりに気付いて。



ああもう。


葉月のせいだよ。


葉月が変な事言うから。



葉月にとっては、まったくもってとばっちり。



あたしは自分でも理解しがたい気持ちを抱えて


最後の一口を飲み込んだ。




この、わけのわからない、わだかまりも


一緒に消化されちゃえばいいのに。











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