目隠しの姫君


なんだか心が軽くなった気がして。


廊下を歩く足どりも、自然と軽くて。



……ほんの数秒前までは。


――――――


あれ?慎だ。


廊下を左に曲がった所にある階段の踊場で。


女の子と楽しそうに笑ってる。


確か…田辺さん。


慎に告白した女の子。



チクッ


あたしの胸を刺す微かな、微かな痛み。


同時にまた広がるモヤモヤ。


でもそれは、


想像してた時より遥かに深く


あたしに纏わり付く。



明らかに、2人を見てからだ。



やっぱりお似合いだった。



あたしの思った通り。



上手くいったんだね?慎。


良かった。





本当に…………






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