目隠しの姫君



あたし………




やっぱ嫌だ。



慎の隣に他の人がいるなんて



嫌だよ。





慎の隣には



あたしがいたい。




子供みたいなワガママ。


当たり前だと思っていた事が、本当は、あたしにとって特別で。


かけがえのない


人で。


それが今、気付くなんて。


あたしおもいっきり馬鹿だよ……




慎と田辺さんを見て、モヤモヤするわけも


慎の笑顔に心臓がきゅって締め付けられる感じも、


すべて


素直なあたしの気持ちだったんだ……




気がつかなきゃ良かった。


気付きたくなかった。


好きの違いがわからないなんて、ただの言いわけに過ぎなかった。


あたしは



あたしは…






慎が




好き…………








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