目隠しの姫君


「清……?」


「えっ!?」


あたしの視線に気付いたのか、慎がこっちを見た。


いくらなんでも見すぎだったよね…


「お前、顔赤いぞ。熱でもあんじゃねぇ?」


慎は重い、って言ってた資料を簡単に片手に持ちかえて、


空いたもう片方の手で、あたしのおでこに触れた。




!!!!!!





う……わ…………



心臓、止まるかと思った。


上手く息が出来ない。



止まるかと思った心臓は、物凄く激しく揺れて。



あたしは痛みにぎゅっと目を閉じた。



「…清っ!?」


慌てる慎。


「保健室行くぞ」


「大丈夫だって!!ごめんごめん」


あたしは急いで笑って見せた。


慎はまだ疑ってる。


「昨日クレープ食べ過ぎちゃってさぁ」


「ハラか!?」


ああ…何この色気ない会話。







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