目隠しの姫君
幸せの答え
コトン
「はい」
目の前にはあったかいカフェオレ。
「ありがと、葉月」
「落ち着いた?」
「うん。ごめん、突然おしかけて」
あたしはまだ家に帰りたくなくて。
1人でいるのが辛くて。
気付いたら、葉月に電話してた。
『清!?どうしたの!?迎えに行くから待ってて!!』
葉月の声にまた
泣いてしまって。
葉月の姿を見た途端抱き着いてしまった。
そしてここは、
葉月の家。
「気付いたんだね?清」
「……うん」
慎への気持ち。
「もう、遅かったけどね…」
ハハ、と笑う。
「無理に笑わなくてもいいの。
遅い…って、慎くんに確かめたの?」
「確かめたって言うか…慎に、田辺さんの話をしたら…真っ赤になって照れてた…」
「本当に?慎くんが…!?」
そんなに驚かなくても…
葉月はまだ信じられないって顔をしてる。
「実際にあたしは見たんだよ」
赤く染まる慎の顔を。