目隠しの姫君
当たり前だよ。
あたしなんかじゃ。
慎に、女の子として見られてるかも謎なのに。
別に期待してたわけじゃない。
最初は慎に彼女が出来ても平気って思ってて。
友達だから。
むしろ喜ばしいじゃん!って。
でも、そんな考えは、現実を見たらあっさり崩れてしまった。
馬鹿だよね。
望んでた“ずっと友達”って関係が
今はこんなにも苦しい。
「あたし…男みたいだし、かわいくも、かわいげもないし…
こんなのか慎の事好きなんて、いい迷惑だよね…」
「馬鹿だね…清は」
あたしの頭をなでる葉月の手。
慎の手を思い出す。
「知らなかったの?清はかわいいのよ。
好きな相手を想って泣く子が女の子じゃない、なんて事あるわけないじゃない」
葉月…
「清はめちゃくちゃ女の子なのよ」
「うー…ばづぎぃ」
「鼻水でてるし(笑)
でも、清って意外と泣き虫だったのね」
うん…知らなかったよ。
涙って、尽きないんだね…