目隠しの姫君


「まぁ…慎くんと田辺さんがどうなったとか別として、これから清はどうしたい?」


「あたしは…」


慎を好きな気持ちは変わらない。


だから。


「慎と友達するよ」


せっかく叶った慎の恋に、あたしの気持ちは邪魔だから。


あたしの想いは


もう……見ない。


慎を友達として応援するよ。


「……そか」


あたしの意見に葉月は何も言わずに聞いてくれて。


「好きになった気持ちは後悔しないでね?」


そう言って、あたしを抱きしめてくれた。


うん…


大丈夫だよ、葉月。


後悔なんてするわけないよ。


慎を好きになって良かった。



その日の夜は、


久しぶりに葉月の家に泊めてもらって。




あたしの恋に


サヨナラした……







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