目隠しの姫君


「清、放課後ヒマ?」


「えっ!?…とぉ、あー、予定入ってる」


予定なんてないけど。


吹っ切るって決めたけど。


まだ…2人ではいられない。



どうして?


あたしを誘うわけ!?


慎がわからないよ。



「そっか…」


「ごめんね。
慎、あたしとばっかいたら駄目だよー」


田辺さんがかわいそうだよ。


…慎なら大丈夫だと思うけどね?






「………ちょっと来い」


グイッ


あたしは慎に手を掴まれて。


引っ張られながら走ってる。


えええええ!?!?


「し…んっ!?何っ!?、
ちょ、は…なし…てっ!!」」


「ちょっと黙ってろ!」


何なのよー!


何で怒ってんの!?


あたしはまだ引っ張られながらも走って。


慎を追いかけるのに必死で。



前を行く慎の背中に、


また


涙が出そうになるのをグッと堪えて。







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