目隠しの姫君
着いたのは屋上。
息はすっかり上がって。
「ハァ…な…んで……?」
「お前、なんか変」
変って………
「なにが…?」
「何がって…態度とか…変に意地張ってるし。
最近無理に笑ってただろ」
何よ…
意地くらい張ったっていいじゃない。
笑い顔まで見抜かないでよ。
あたしがどんなに必死に自分を隠しても
無理なわけ??
そんなの辛すぎるじゃん。
「…あたしの事なんて、別になんだっていいじゃん。慎が気にする事じゃない」
「そんなわけにいくかよ…!」
慎……?
「俺が嫌なんだよ!!お前の辛そうな顔なんて見たくねぇんだよ!!」
「そんなの…知らない。慎には関係…ない…」
こんな言葉言いたくなかったのに…
「もうほっといてよ」
「ほっとけるかよ!!!」
な……に………!?
気付いたら
あたしは慎の腕の中。
なんで…
なんで……?
なんでっ……………!?