目隠しの姫君




……………。



「は………ぁああ!?」



どう言う事!?



「…何だよ…その反応は」



「信じ……らんない」


ありえない。


「はぁ!?好きだって言ったよな!?」


言われたけど…


「田辺さんと…付き合ってるんじゃ……」


「ありえねぇ。なんでそーなったんだ?
俺、そんな事ひとっ言も言ってねーよ!」


「…嘘だっ!
だって…告白の事聞いたら、慎思いっきり照れてたじゃん!!」


「アホ!あの時、お前が最後まで話も聞かずに帰ったんだろ!!」


あたし…??


「田辺にはきっぱり断ったよ。
……俺は清が好きだからって。
田辺も…わかってた。
しかも、早く清に気持ち伝えろって言われたくらい(笑)
だから、照れてるように見えたんだろ」



…叶わないとわかっていても、

田辺さんは慎に気持ちを伝えたんだ……



「でも……
ここまで清に気付かれてなかったのはちょっとショックだったけど。
俺、結構わかりやすいのに……」



「そんなの…わかんないよ…」






< 44 / 54 >

この作品をシェア

pagetop