目隠しの姫君
気付けば
とっくに授業は始まってて。
「うわ。1時間目って、岩井の授業だったよね…?」
「やべ…よりによってアイツかぁ」
岩井は厳しくて有名な数学教師。
「…行く?」
「しゃーないな…」
あたし達は手を繋いで歩き出す。
そして、顔を見合わせて笑った。
「清っ」
「…っ!?」
いきなりのキス。
「慎っ!!!」
キキキキスっ!!!
「かわいー清♪」
「馬鹿っ!!ムードも何もないっ」
あたしは真っ赤になりながら怒って。
「おし♪これでパワー充電!
岩井なんて怖くねぇ!」
あたしに笑う姿はかっこよくて。
「もう、何言ってんの……」
慎がモテるのわかるかも…
「…ライバル多そう…」
ため息を一つ。