目隠しの姫君


気付けば


とっくに授業は始まってて。


「うわ。1時間目って、岩井の授業だったよね…?」


「やべ…よりによってアイツかぁ」


岩井は厳しくて有名な数学教師。



「…行く?」


「しゃーないな…」



あたし達は手を繋いで歩き出す。


そして、顔を見合わせて笑った。


「清っ」


「…っ!?」


いきなりのキス。


「慎っ!!!」


キキキキスっ!!!


「かわいー清♪」


「馬鹿っ!!ムードも何もないっ」


あたしは真っ赤になりながら怒って。


「おし♪これでパワー充電!
岩井なんて怖くねぇ!」


あたしに笑う姿はかっこよくて。


「もう、何言ってんの……」


慎がモテるのわかるかも…


「…ライバル多そう…」


ため息を一つ。







< 47 / 54 >

この作品をシェア

pagetop