ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
「あっちにお世話になってる副店長がいるんです。紹介させてください」
「わかった」
遅かった。そんな会話が聞こえたら、もう逃げるわけにはいかない。
柚花は紙ナフキンで口を拭って居心地悪く彼女らを待ち、萌美たちが目の前に来ると、立ち上がった。
「こちらが私のお店の副店長の深雪山さん、三十歳独身でーす」
「姪がお世話になっております」
萌美の紹介で進が頭を下げる。柚花も頭を下げ返した。
「こちらこそ、お世話になっております」
まだ二十八歳だとかあなたのお店じゃないとか独身の情報は必要ないでしょとか、言いたいことはあるが、ぐっとこらえた。
「食事中にすみません。そちらで姪がご迷惑をおかけしておりませんか」
「やだあ、迷惑なんてかけてないよお」
萌美がなれなれしく進の腕を軽く叩く。
「萌美さんは頑張っておられますよ」
ひきつりそうになる頬を叱咤して自然な笑みを心がけ、答えた。
「そうだ、明後日の懇親パーティーはぜひ副店長が来てくださいよ。恋人も連れて来ていいですよ!」
「そんな……」
萌美の言葉に、柚花は絶句した。
年に一度、デパート内の懇親パーティーが開かれる。店の代表一、二名で参加するのだが、たいていは店長が参加していた。
「わかった」
遅かった。そんな会話が聞こえたら、もう逃げるわけにはいかない。
柚花は紙ナフキンで口を拭って居心地悪く彼女らを待ち、萌美たちが目の前に来ると、立ち上がった。
「こちらが私のお店の副店長の深雪山さん、三十歳独身でーす」
「姪がお世話になっております」
萌美の紹介で進が頭を下げる。柚花も頭を下げ返した。
「こちらこそ、お世話になっております」
まだ二十八歳だとかあなたのお店じゃないとか独身の情報は必要ないでしょとか、言いたいことはあるが、ぐっとこらえた。
「食事中にすみません。そちらで姪がご迷惑をおかけしておりませんか」
「やだあ、迷惑なんてかけてないよお」
萌美がなれなれしく進の腕を軽く叩く。
「萌美さんは頑張っておられますよ」
ひきつりそうになる頬を叱咤して自然な笑みを心がけ、答えた。
「そうだ、明後日の懇親パーティーはぜひ副店長が来てくださいよ。恋人も連れて来ていいですよ!」
「そんな……」
萌美の言葉に、柚花は絶句した。
年に一度、デパート内の懇親パーティーが開かれる。店の代表一、二名で参加するのだが、たいていは店長が参加していた。