ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
 パリュールも店長の佐島が参加予定だったが、骨折で入院では参加できないだろう。だから柚花が行くことになるだろうが、恋人を、とは。

「懇親パーティーなんだから外部の人はダメでしょ」
「いえ、特別にいいですよ。良かったらぜひ」
 進がそう言い、今度こそ柚花の顔がひきつった。

「あ、いえ」
 つっこむポイントを間違えた。普通に一人で行きますと言えばよかったのに。まさか部外者OKと言われるなんて思いもしなかった。

「パーティーには私も参加しますから。恋人といらしてくださるの、楽しみに待ってますよぉ」
 にたり、と笑ってから萌美は進に顔を向ける。

「伯父様、ここのランチはおいしいんですよ」
 萌美が言い、進とともに券売機に向かう。

 否定するタイミングをなくし、柚花は力なく椅子に座り直した。

 これは、恋人を連れて行かなくてはならないのだろうか。
 明後日までに恋人なんて作れるはずがない。

 恥をかかせるのが目的だろうが、その通りになってやるしかない。
 柚花は大きくため息をついた。
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