ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
 ファイアと呼ばれる宝石の輝きですら、ここまで柚花を魅了することはないというのに。

 昼間の青い印象と違い、今の彼は情熱的な赤を思わせた。

 見つめ合った京吾はやがて、その腕を伸ばす。
 顎をくいっと持ち上げられ、柚花は慌てた。

「な、なにするんですか」
「ダメか?」
 透き通る瞳で問われて、柚花は言葉に詰まった。

 美しい。琥珀よりも透明で、ダイヤよりも強い輝煌を持つその瞳に、吸い込まれるかのようだった。

 かつてもそうだった。この美しい瞳に魅せられて、その優しさにひきつけられて、ただ心を焦がしていた。

「拒否しないんだな」
 確認するように言い、彼は唇を重ねる。

 柚花は抵抗もできず、目を閉じた。
 やさしい感触と温かさに、柚花の胸はただ熱く鼓動を打ち続けた。
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