ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
『輝きはシンチレーション、ファイア、ブリリアンスの三つです。ブリリアンスはブライトネスと呼ばれることもあります。最初の合同研修でやったかな?』
 京吾の言葉に、柚花は頷く。

『はい。ブリリアンスはカットに影響されるんですよね。内部の反射の輝きですから』
『そう。じゃ、シンチレーションは?』

『ダイヤを動かしたときのきらきらです。ファイアはディスパージョンとも呼ばれる七色の輝きです』
『そう。よく覚えてますね』
 出来の良い生徒を褒めるように、京吾は目を細めた。ただそれだけで柚花の胸は高鳴った。

 誕生石の話になったとき、自分は一月生まれだからガーネットだと告げた。
『ガーネットと言えば、ブルーガーネットを知ってますか?』
 京吾に言われて、柚花は驚いた。

『ガーネットは赤だけかと思ってました』
『マダガスカルのベギリーでしか産出されない珍しい石ですよ。自然光では青や緑、白熱光では赤や紫に見えるそうです』

『アレキサンドライトみたいにカラーチェンジ効果があるんですね』
『ほかにもグリーン、オレンジ、ピンク、イエローも褐色もあります。これらはカラーチェンジ効果はありませんが』
 そう言って、彼はタブレットで見せてくれた。

『知りませんでした。もっと勉強します』
 ダイヤやサファイア、ルビーなどメジャーな宝石から勉強していた。が、まずはこうやって身近な宝石から勉強するべきだっただろうか。
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