ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
 最初にバックヤードを確認したが、やはりそこにはパリュールの荷物はない。
 あちこちを探し回っていると、京吾からスマホに電話が入った。

『デパート側から連絡が来た。食堂にパリュールの段ボールがあるらしい。見に行って来て』
「はい」
 柚花はすぐに食堂に向かった。
 入口付近に段ボールがあり、ご自由にお持ちくださいの紙が貼られている。

「そんな!」
 慌てて中を確認すると、すでに半分ほどがなくなっていた。
 なくなったものをどうにかするなんてできない。
 とにかく残ったものを持って、柚花は店に戻った。先に戻っていた京吾に見せる。

「安曇さん、これ……」
 張り紙と中身を見て、京吾は顔をしかめた。

「どうしてこんなことに」
「わかりません」
 柚花は顔を青ざめさせて答える。

「とりあえず土日はこれで対応できるだろう。あとは本部と相談して、在庫を送ってもらおう」
 柚花は悄然(しょうぜん)と頷いた。
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