【受賞】ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
甘えるな、と上司に叱られて愕然とした。
ありえない、と思って会社を辞めた。
そこからは転々とバイトをしては辞めてを繰り返した。
楽して稼げるかと思って夜の店で働いたこともある。が、昼間の会社以上に人間関係がわずらわしく、すぐに辞めてしまった。
業を煮やした両親が進に相談し、彼は当時求人を出していたパリュールはどうかと萌美に打診した。
パリュールは一流の宝石店で、芸能人もよく買いに来ると言う。
宝石や芸能人に囲まれる自分を想像し、萌美は了承した。
だが、実際には思っていたのと違っていた。
ノルマはないが売上目標はあるし、一日中立ちっぱなしなのもきつい。芸能人なんてお店にはこない。どうやら別室で対応しているらしいと聞いたが、萌美がそこへ行ける機会などなかった。
辞めようと思った矢先にうまく売り上げを作る方法を見つけた。
通りがかったモテなさそうな男の客に声をかけると、かわいい自分から声をかけられたのがうれしいのか、彼らはすぐにのぼせ上ってジュエリーを買ってくれた。
そうやって売り上げを作ると、今までにない達成感があった。販売促進手当がつくのもうれしかった。
天職かもしれない、と思った。
売り上げると佐島がほめてくれたし、男なんてちょろい、と萌美は改めて思った。
佐島は褒めたあとに「でもね、接客の方法が……」と言葉を続けていたが、萌美の耳には雑音は入らないようになっているので、まったくその内容は覚えていなかった。
ありえない、と思って会社を辞めた。
そこからは転々とバイトをしては辞めてを繰り返した。
楽して稼げるかと思って夜の店で働いたこともある。が、昼間の会社以上に人間関係がわずらわしく、すぐに辞めてしまった。
業を煮やした両親が進に相談し、彼は当時求人を出していたパリュールはどうかと萌美に打診した。
パリュールは一流の宝石店で、芸能人もよく買いに来ると言う。
宝石や芸能人に囲まれる自分を想像し、萌美は了承した。
だが、実際には思っていたのと違っていた。
ノルマはないが売上目標はあるし、一日中立ちっぱなしなのもきつい。芸能人なんてお店にはこない。どうやら別室で対応しているらしいと聞いたが、萌美がそこへ行ける機会などなかった。
辞めようと思った矢先にうまく売り上げを作る方法を見つけた。
通りがかったモテなさそうな男の客に声をかけると、かわいい自分から声をかけられたのがうれしいのか、彼らはすぐにのぼせ上ってジュエリーを買ってくれた。
そうやって売り上げを作ると、今までにない達成感があった。販売促進手当がつくのもうれしかった。
天職かもしれない、と思った。
売り上げると佐島がほめてくれたし、男なんてちょろい、と萌美は改めて思った。
佐島は褒めたあとに「でもね、接客の方法が……」と言葉を続けていたが、萌美の耳には雑音は入らないようになっているので、まったくその内容は覚えていなかった。