ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
誰か、冷静な人を。こういうときは男性のほうが抑止力がある。
京吾がいてくれるからまだ抑えが聞いているが、これ以上はきっと危ない。
そう思って周囲を見るが、ここはジュエリーショップが集まったコーナーなので、店員は女性ばかりだ。
誰か男性店員が近くにいないだろうか。それが無理なら警備員を呼んでほしい。
そう思って周囲を見回した柚花の目に、憲士の姿が映った。
目が合った彼は、びくっとしたのちにそそくさと歩き去る。
柚花は唖然とした。
恋人である萌美が巻き込まれ、デパートにとっても困った騒動になっているのに逃げるなんて。
周囲の店の店員ははらはらと成り行きを見守っているが、誰も動かない。
この状況で警備員を呼んでほしいなんて言えば、奥長をさらに激高させそうだ。
とにかく落ちつけさせないと。
「申し訳……」
頭を下げようとした柚花を、京吾が手で制した。
「謝る必要はありません。悪いことなどしていませんから」
「ですが」
落ち着かせるには、いったん謝罪をしたほうがいいのではないのだろうか。
「謝りもしないのかよ!」
彼はうなるように言い、ポケットに手を入れた。そこから取り出した果物ナイフの鞘を抜き、柚花に向けて突進する。
京吾がいてくれるからまだ抑えが聞いているが、これ以上はきっと危ない。
そう思って周囲を見るが、ここはジュエリーショップが集まったコーナーなので、店員は女性ばかりだ。
誰か男性店員が近くにいないだろうか。それが無理なら警備員を呼んでほしい。
そう思って周囲を見回した柚花の目に、憲士の姿が映った。
目が合った彼は、びくっとしたのちにそそくさと歩き去る。
柚花は唖然とした。
恋人である萌美が巻き込まれ、デパートにとっても困った騒動になっているのに逃げるなんて。
周囲の店の店員ははらはらと成り行きを見守っているが、誰も動かない。
この状況で警備員を呼んでほしいなんて言えば、奥長をさらに激高させそうだ。
とにかく落ちつけさせないと。
「申し訳……」
頭を下げようとした柚花を、京吾が手で制した。
「謝る必要はありません。悪いことなどしていませんから」
「ですが」
落ち着かせるには、いったん謝罪をしたほうがいいのではないのだろうか。
「謝りもしないのかよ!」
彼はうなるように言い、ポケットに手を入れた。そこから取り出した果物ナイフの鞘を抜き、柚花に向けて突進する。