ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
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水曜日、柚花はピシッと背筋を伸ばして出勤した。
あんなことがあった後だからこそ、きちんとしなくてはならない。
そう思うのに、京吾の顔を見た途端に、へなへなと自分の中のなにかが崩れていく。
かろうじて営業スマイルを浮かべて仕事をこなす。
萌美も出勤の予定だったが、来なかった。
支配人の進を通じて店を辞める連絡が入った。伝えに来た進は恐縮して何度も柚花と京吾に頭を下げていた。
午後になると、以前クリーニングをしていった御婦人方が店を訪れた。
また来てくださった、と柚花はほっとした。
二人は以前同様に品が良かったが、今日は上質な服を身に纏っていた。
「いらっしゃいませ」
声をかけた直後、京吾がすっと近寄って来て、慇懃に頭を下げる。
「いらっしゃいませ、木藤真理子様、佐原静子様」
「あらやだ、バレてるわ」
「あなたのところの社員、優秀ね」
くすくすと二人が笑い合う。