ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
 どきどきしながら船に乗りこみ、係員の案内で個室へ向かう。
 部屋は和風の造りで、濃茶のテーブルに和風の椅子が並んでいた。

 窓は大きく、夜景がくっきりと見えていた。
 席に着くと、すぐに船は出発した。

 食前酒は梅酒だった。
 先付けは旬の野菜を使ったもので皿の上に小さな皿があり、あえ物や酢の物がかわいく盛り付けされている。
 お造りは船のお皿に載っていて、それだけで気持ちが上がった。

 京吾が楽しい話題をふってくれて、柚花は流れゆく景色とともに食事を楽しんだ。
 デザートのカボチャプリンは陶器で出来たカボチャの器に入っていて、とてもかわいい。
 食べるとなめらかな触感にたっぷりの甘さが沁みるようだった。
 最後の晩餐、と脳裏に言葉がひらめき、陳腐な自分の発想に苦い笑いが込み上げる。

「それで、今後のことなんだけど」
 食べ終えたタイミングで京吾が切り出す。

 来た、と柚花は身構えた。
 緊張して体を強張らせる柚花に、京吾はふっと笑う。

「そんなに緊張しないで。良い話だと思うんだけど」
「どんなことでしょう」
 予想がつかなくて、柚花は聞き返す。
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