シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
俺と世莉と時々爽姉
ある高層マンション。
そこに住んでいる、蓮上家。

大病院の外科医・爽子。
今年大企業に入社したばかりの賢雄。
中学生頃の事故で両足切断し、車椅子生活になった世莉の三人で住んでいる。

両親は世莉が遭った事故で、そのまま亡くなった。

世莉だけが生き残り、爽子と賢雄が世莉の介護をしながら仲良く暮らしている。

幼い頃から三人はとっても仲が良く、両親が亡くなってからは特に、助け合って生きてきた。

その中でも特に……

賢雄の世莉への愛情は異常で“一人の女性として”世莉を愛している。

そのため―――世莉の世話を好んで行い、日々過保護に接している。


この三人。
全く血が繋がっていない、戸籍上のきょうだいである。

爽子は父親の連れ子、賢雄は母親の連れ子、そして世莉は父親の親友夫婦の子である。

再婚した時、爽子は17歳、賢雄は6歳だった。

世莉の生みの母親は世莉が6歳の時病気で亡くなり、父親もその後を追ってその一年後自殺したのだ。

そして身寄りのない世莉を、両親が養子として引き取った。



ここで軽く、三人を紹介しておこう。


蓮上 爽子
賢雄からは“爽姉”世莉からは“ねぇね”と呼ばれている。
この辺では有名な大病院で外科医をしている、腕の良い医師。
そのため、いつも忙しく働いている。
恋人はいなくて、バリキャリ医師。
高校生の頃に教師と禁断の関係になって、一度退学になった経験から“一人で生きていく”と決めた。
(それから大検を受け、医学部に入学した苦労人)
真面目で、しっかり者の良き姉。


蓮上 賢雄
爽子からは“けんくん”世莉からは“にぃに”と呼ばれている。
今年大学院修了後、大企業に就職した社会人一年目。
賢くイケメンで優しく、何でも器用にこなすハイスペ男。
しかし白黒はっきりした性格で、興味があることにしか熱を持てない一面もある。
世莉を異常に愛す、シスコン。
世莉のことは全て把握し、世話をしたいと思っている。


蓮上 世莉
爽子からは“せっちゃん”賢雄からは“世莉”と呼ばれている。
中学生の頃に両親と三人で買い物に出掛けた帰りに事故に遭い、頭と両足を損傷。
両足は膝から下を切断、右半身麻痺を患い車椅子生活になった。
爽子と賢雄に励まされながら懸命なリハビリをし、右手はなんとか使えるまでに回復。
入浴以外の自分のことは、時間はかかるが自力で出来る。
(しかし過保護な賢雄は、事あるごとに世話をしてくる)
人見知りでおとなしい性格な上に、事故に遭ってから引きこもりがちになったので、爽子と賢雄、親しい人間以外との接触が苦手。
元々から小柄で太れない体質なため、今体重が25kgもない。
爽子と賢雄のことが大好きで、二人に依存気味だが、賢雄の就職を機にヘルパー支援を考えるようになる。



世莉が“ヘルパー支援”を考えるようになってから、賢雄の愛情が暴走し始めた――――――
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