シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
「あ…世莉…」
「ご、ごめんね、世莉ちゃん!」

「一歩さん、あの…二人はちょっと…
いつもみたいに、にぃにと三人でなら……」

「そっか…!
わかった!
じゃあ、せめてライン交換しない?」

「それなら!」

「フフ…ありがと!」  

交換して、一歩と手を振り別れた。


「―――――世莉」

運転をしながら、助手席に座っている世莉に声をかける。

「ん?」

「さっきはごめんな」

「ううん。
喧嘩したの?一歩さんと。
なんか、いつもの二人じゃなかった」

「ううん、違うよ?
ちょっと、言い合いになっただけ!」

「そっか…」



その日の夜。
爽子と風呂に入っている、世莉。

「せっちゃん、湯船入るよ~」
「うん」

湯船に入り、話をする。
「ねぇね、髪の毛洗いやすかった?」
「うん!とっても!」

「これなら、ヘルパーさん洗いやすいかな?」
「大丈夫よ!
でも、せっちゃんがそこまで気を遣わなくていいのよ?」

「うん…でも、できる限りは…」
「そっか!
ほんと、優しいね!」

「優しいのは、ねぇねやにぃにだよ?」

「そう?(笑)
……………てか、せっちゃん顔小さいよね〜!
羨ましい〜!
ショートにしたから、余計に小さい!
可愛い〜!」

「そうかな?」

「うん!可愛い〜!」

「フフ…
にぃにも同じこと言ってて“俺の手の平くらいじゃん!”って笑ってた(笑)」

「あ…確かに!(笑)」

「あ…あとね。
にぃにと一歩さんがなんか、喧嘩?してて…
私のせいかもなの…」

「え?」

世莉の話を聞いた爽子。
「そう…
うーん…それは、せっちゃんは関係ないよ!
大丈夫!」

「そうかな?
私が、一歩さんとのデート拒んだからじゃ…」

「ううん!
それは関係ない!」

世莉に「大丈夫よ!」と言って、頭をポンポンと撫でる爽子。
世莉は、安心したように微笑んだ。

「………」
(まぁ、正確には“関係大有り”だけど…(笑) 
でも、けんくんと一歩くんの問題だもんね。
……………やっぱ…恋愛は複雑よね……)

爽子は目の前で微笑む世莉に微笑み返しながら、そんなことを考えていた。
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