シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
「――――冷蔵庫の中の物は、何でも使ってください。
食器も、妹の分は一纏めにしてます」

「「ありがとうございます!」」

「世莉さん、好き嫌いはありますか?」

「基本的には、ないですよ!
何でも食べます!
でも比較的、汁物を好むかな?
味噌汁とかスープとか。
ただ、量が極端に少ないです…(笑)
あと嚥下機能が弱ってるので、できる限り柔らかくしてください」

「「わかりました!」」

「今日は、冷やし中華を作ろうと思ってます!」

「じゃあ…
私達で作ってもいいですか?」
「今日、覚えておきたいので!」

「はい!よろしくお願いします!」

「麺類は、半玉くらいかな?」

「いえ、4分の1しか食べません(笑)
なので、麺類を作っても必ず残ると思うので、残ったのは冷蔵庫に入れておいてください。
私か弟が食べますから!」

「そうなんですね(笑)
じゃあ…何かスープ作りましょうか?
それとも、冷やし中華でお腹いっぱいになるかな?」

「スープくらいなら大丈夫ですよ!」

そして……アケチとイリエが、冷やし中華と野菜スープを作った。

「世莉さん、出来ましたよ!」
「どうぞ?」

「はい。
あ…にぃにとねぇねは?」

「俺達のことはいいから!」
「せっちゃん、食べてみて?」

フォークを握り、ゆっくり食べる。
野菜スープを食べた世莉が「美味しい」と呟く。

「「良かった!」」

しかし、冷やし中華を少し残してしまう。

「せっちゃん、食べなきゃ!」

「でも、お腹いっぱい…」
首を横に振る、世莉。
賢雄に助けを求めるように、目線を送った。 

「爽姉!」
それを受けて、賢雄が爽子を諭すように言った。

「じゃあせっちゃん、あと一口!」

「あ、お姉さん!」
「無理されなくていいですよ!」

「でも、せっかく作ってもらったのに…」

「大丈夫ですよ!」
「私達も、世莉さんの食べる量を知っておきたいし!」

「すみません…
残しても、気にされないでください。
元々から、少食なので…」

「大丈夫です!」
「わかりました!」

「あ、あと!
食後に、果物を必ず出して欲しいんですが…」

「はい!」
「わかりました!」

「それでヨーグルトをかけて、フルーツヨーグルトにして出してください。
せっちゃん、好きなんです!
なので、お腹いっぱいって言っててもこれだけは食べちゃうんですよ(笑)」

「「フフ…わかりました!」」
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