シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
夕方、再度アケチとイリエが訪問してきた。

「せっちゃん、アケチさんとイリエさんが来られたよ!」

「うん…」

「お風呂、入ろうね!」

「うん…」

「せっちゃん?」

「ねぇねも一緒入る?」

「私は入らないよ。
アケチさんとイリエさんに、どうなふうにしてるか教えるだけよ……!」

「ねぇねも入ろ?」

「せっちゃん。
せっちゃんが入れてもらうケアなのよ?
それじゃ、ヘルパーさんにお願いした意味ないでしょ?」

「うん…」

「ね?ほら、行こ?」

「うん…
にぃに、行ってくる」

「ん」
賢雄は安心させるように、世莉の頭を撫で微笑んだ。

小さく手を振り、爽子に連れられ世莉は風呂場に向かった。

爽子がアケチとイリエに説明する。
「下着とパジャマは、ここの引き出しに入ってます。
せっちゃん、裸になって?」

「うん…」

「自分で出来ることは、できる限りさせてください。
服の脱ぎ着と、背中以外の身体をこするのは出来ますので」

「「わかりました!」」

「ねぇね」
裸になった世莉が、爽子を呼ぶ。

「ん。
そしたら、このシャワーキャリーに乗せてください。
はい、せっちゃん。抱っこするよ!」

首に腕を回した世莉を、抱き上げシャワーキャリーに移乗させる。

「私はお姫様抱っこしてるけど、お二人がしやすいようにしてください。
せっちゃん、かなり細いけど腕の力はありますので」

この調子で、細かく説明しながら世莉を風呂に入れた。


リビングに戻ると、賢雄が微笑み近づいてきた。
「世莉、カルピス入れておいたよ!」

「わ…ありがとう!」

「どうだった?」

「恥ずかしかった…/////」

「だよな(笑)
爽姉とヘルパーさんは?」

「片付けしてる。
にぃにも入ってきたら?」

「俺?(笑)
俺は、後でいい。
いつもみたいに、世莉が寝たら入る」

「じゃあ、寝る」

「もう寝るの?
飯は?」

「いらない」

「フフ…爽姉が聞いたら怒るよ?(笑)」

「あ…じゃあ、起きる」

「フフ…!
じゃあ、なんかテレビ見ようか?
青神のライブDVD見る?」

「うん、見る」 

抱き上げ、ソファに座らせた賢雄。
DVDをセットする。

「にぃにも!横に来て?」
自身の隣をトントンと叩く世莉に、賢雄は「はいはい(笑)」と嬉しそうに笑った。
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