シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
世莉は、ずっと賢雄と一歩の関係を気にしていた。
それでおもいきって、一歩に連絡をした。
『もしもし?
嬉しい〜世莉ちゃんから、連絡くれたー!』
「あ、あの!
今、時間大丈夫ですか?」
『うん!
今日休みだし!』
「あの…今から会えませんか?」
『え!?
もちろん!
すぐそっちに行くね!!』
「はい、出来れば…
すみません。
せっかくの休みなのに…」
『全然!
世莉ちゃんに会えるなら、何時でも、何処でも会いに行くよ?
ちょっと待っててね!』
20分後。
一歩が来て“散歩しよ?”と誘われた。
二人は、近くの公園に向かった。
車椅子をベンチの横につけ、一歩がベンチに座る。
「で?なんかあった?」
「えーと……
一歩さん、にぃにと喧嘩したんですか?」
「え?
なんか…唐突だね(笑)
してないよ、喧嘩」
「でも、最近言い合ってばっかだし…
私のせいですか?
にぃには“関係ない”って言ってるんですが、にぃには優しいから、私に気を遣ってるんじゃないかなって…」
「世莉ちゃんのせいじゃないよ」
「ほ、ほんとですか?」
「でも……
関係なくはない」
「え……」
「俺からも聞いてい?
……………世莉ちゃん、彼氏作ろうとか思わないの?」
「え?
それは……
私、こんなだし…」
切なく瞳を揺らし、膝に触れる。
「障がいがあることと、彼氏作らないことは関係ないでしょ?」
「え?」
「じゃあ、障がいがあっても関係ないって言う男が現れたら、彼氏作ろうって思えるってこと?」
「えーと……」
「………」
「………」
「それとも…さ…」
「え?」
「“賢雄って存在のせい?”」
一歩が、真っ直ぐ見て言った。
「………」
「あいつ、シスコンだろ?
世莉ちゃんが、事故に遭ってから特に!
過保護で、世話焼きで、世莉ちゃんを離さない。
だから世莉ちゃん、彼氏作れないとかじゃない?」
「…………わかりません。
私、事故に遭ってから、将来が見えなくなったので……
ねぇねとにぃにが傍にいてくれる限りは、恋愛とか考えられないです。
正直、今が幸せだから……!」
「………」
世莉の想いに、一歩が項垂れた。
「え?一歩…さん?」
「世莉ちゃん、俺――――――」
そこに、ポツポツ…と雨が降り出した。
それでおもいきって、一歩に連絡をした。
『もしもし?
嬉しい〜世莉ちゃんから、連絡くれたー!』
「あ、あの!
今、時間大丈夫ですか?」
『うん!
今日休みだし!』
「あの…今から会えませんか?」
『え!?
もちろん!
すぐそっちに行くね!!』
「はい、出来れば…
すみません。
せっかくの休みなのに…」
『全然!
世莉ちゃんに会えるなら、何時でも、何処でも会いに行くよ?
ちょっと待っててね!』
20分後。
一歩が来て“散歩しよ?”と誘われた。
二人は、近くの公園に向かった。
車椅子をベンチの横につけ、一歩がベンチに座る。
「で?なんかあった?」
「えーと……
一歩さん、にぃにと喧嘩したんですか?」
「え?
なんか…唐突だね(笑)
してないよ、喧嘩」
「でも、最近言い合ってばっかだし…
私のせいですか?
にぃには“関係ない”って言ってるんですが、にぃには優しいから、私に気を遣ってるんじゃないかなって…」
「世莉ちゃんのせいじゃないよ」
「ほ、ほんとですか?」
「でも……
関係なくはない」
「え……」
「俺からも聞いてい?
……………世莉ちゃん、彼氏作ろうとか思わないの?」
「え?
それは……
私、こんなだし…」
切なく瞳を揺らし、膝に触れる。
「障がいがあることと、彼氏作らないことは関係ないでしょ?」
「え?」
「じゃあ、障がいがあっても関係ないって言う男が現れたら、彼氏作ろうって思えるってこと?」
「えーと……」
「………」
「………」
「それとも…さ…」
「え?」
「“賢雄って存在のせい?”」
一歩が、真っ直ぐ見て言った。
「………」
「あいつ、シスコンだろ?
世莉ちゃんが、事故に遭ってから特に!
過保護で、世話焼きで、世莉ちゃんを離さない。
だから世莉ちゃん、彼氏作れないとかじゃない?」
「…………わかりません。
私、事故に遭ってから、将来が見えなくなったので……
ねぇねとにぃにが傍にいてくれる限りは、恋愛とか考えられないです。
正直、今が幸せだから……!」
「………」
世莉の想いに、一歩が項垂れた。
「え?一歩…さん?」
「世莉ちゃん、俺――――――」
そこに、ポツポツ…と雨が降り出した。