シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
一時間弱くらい待ち、やっと呼ばれる。
「蓮上さ〜ん」
「あ、やっとか!
世莉、行くよ?」
「うん…」
車椅子に移乗し、診察室に入る。
「蓮上さん、こんにちわ!」
「こんにちわ…」
「よろしくお願いします」
世莉と賢雄が挨拶する。
「蓮上さん、変わりない?」
「はい」
「んー、前回から半年か…
今日は、血液検査をしておこうね」
「………」
「ん?」
「あの…また、今度…」
「んー?
またまた〜(笑)
それに本当は、4ヶ月くらいに一度はしたいのよ?」
「………」
「ね?
去年それで、早く対処が出来たでしょ?
はい、血液検査よろしく」
看護師にそう言って、看護師から「蓮上さん、行きましょう」と車椅子を押して誘導される。
「あ…にぃにも!」
慌てて、後ろを振り向く。
「あぁ、大丈夫!」
賢雄も微笑み、ついていく。
処置室に移動し、看護師が「ご家族の方は待合室でお待ちください」と言ってきた。
「え……に、にぃに……!」
「え?
あ、すんません、妹の傍にいます」
助けを求めるように見上げる世莉の頭を撫でる、賢雄。
そして(何言ってんの?)と言わんばかりの表情で、看護師を見て言った。
世莉が爽子や賢雄と手を繋がないと針を刺せないことは、看護師はみんな知っているはずだ。
「あ、いいのよ。
お兄さん、良いですよ!
世莉さんの傍にいてあげてください!」
別の看護師が出てきて微笑んだ。
「蓮上さん、利き腕と反対の腕を出してください」
左腕を注射台に置く。
右手は、賢雄の手を握った。
賢雄もしっかり握りしめて、安心させるように微笑んだ。
そして世莉は、目をギュッと瞑った。
「蓮上さん、手をグーにして握りしめててください」
そしてチクッと針が刺さり、世莉がビクッと震えた。
思ったより痛くなくて、世莉がホッとしたように目を開けた。
すると………
「あれ?あれ?」
看護師が、首を傾げだした。
「え?」
世莉が看護師を見ると「すみません、ちょっと抜きますね」と言い、針を抜いた。
そしてまた「もう一回、刺しますね」と言い出して、違う場所を刺したのだ。
更に……血管を探しているのか、針を刺したままグリグリと探り始める。
「嫌!!痛いっ!!!」
さすがの世莉も我慢ができず、おもいきり腕を引いた。
「蓮上さ〜ん」
「あ、やっとか!
世莉、行くよ?」
「うん…」
車椅子に移乗し、診察室に入る。
「蓮上さん、こんにちわ!」
「こんにちわ…」
「よろしくお願いします」
世莉と賢雄が挨拶する。
「蓮上さん、変わりない?」
「はい」
「んー、前回から半年か…
今日は、血液検査をしておこうね」
「………」
「ん?」
「あの…また、今度…」
「んー?
またまた〜(笑)
それに本当は、4ヶ月くらいに一度はしたいのよ?」
「………」
「ね?
去年それで、早く対処が出来たでしょ?
はい、血液検査よろしく」
看護師にそう言って、看護師から「蓮上さん、行きましょう」と車椅子を押して誘導される。
「あ…にぃにも!」
慌てて、後ろを振り向く。
「あぁ、大丈夫!」
賢雄も微笑み、ついていく。
処置室に移動し、看護師が「ご家族の方は待合室でお待ちください」と言ってきた。
「え……に、にぃに……!」
「え?
あ、すんません、妹の傍にいます」
助けを求めるように見上げる世莉の頭を撫でる、賢雄。
そして(何言ってんの?)と言わんばかりの表情で、看護師を見て言った。
世莉が爽子や賢雄と手を繋がないと針を刺せないことは、看護師はみんな知っているはずだ。
「あ、いいのよ。
お兄さん、良いですよ!
世莉さんの傍にいてあげてください!」
別の看護師が出てきて微笑んだ。
「蓮上さん、利き腕と反対の腕を出してください」
左腕を注射台に置く。
右手は、賢雄の手を握った。
賢雄もしっかり握りしめて、安心させるように微笑んだ。
そして世莉は、目をギュッと瞑った。
「蓮上さん、手をグーにして握りしめててください」
そしてチクッと針が刺さり、世莉がビクッと震えた。
思ったより痛くなくて、世莉がホッとしたように目を開けた。
すると………
「あれ?あれ?」
看護師が、首を傾げだした。
「え?」
世莉が看護師を見ると「すみません、ちょっと抜きますね」と言い、針を抜いた。
そしてまた「もう一回、刺しますね」と言い出して、違う場所を刺したのだ。
更に……血管を探しているのか、針を刺したままグリグリと探り始める。
「嫌!!痛いっ!!!」
さすがの世莉も我慢ができず、おもいきり腕を引いた。