シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
「――――世莉、お疲れ様!
よく頑張ったな!」

世莉はいつも、月に一度の通院後、病院近くのピザ店へ行きランチをするのが通例だ。

頭を撫で微笑む賢雄に、ホッとしたように微笑んだ世莉。

「でも、なんで来週にしなかったんだ?」

「え?あ…それは……」

「ん?」

「にぃにに迷惑かけたくなくて…」

「え…?俺…?」

「来週に延ばしたら、にぃにがまた仕事休まなきゃでしょ?
ねぇねに頼んで、来週行くことも考えたけど、できればその……にぃにに傍にいてほしかったの…!」

「……/////」

「ん?にぃに?」

「………なんでそんな…可愛いんだよ……」

「え?にぃに、何?
聞こえない!」

「ううん、なんもない!
そこまで考えてくれて、ありがとな!」

「ううん!」

「………あ!それより!
今度、ドライブしない?」

「ドライブ?」

「今度の連休にさ!」

「うん、行きたい…!」

「ほんとは旅行連れてってやりたかったが、風呂の問題がな……
爽姉は、仕事で行ける状態じゃないし…」

「あ…//////うん…」

「俺は、全然いいんだよ? 
世莉と温泉!」

「え?
あ…//////は、恥ずかし…//////」

「だよな…(笑)
だから、ドライブ!」

「うん!」


そして…………

「じゃあ、気を付けて行ってきてね!
けんくん、よろしく!」

「あぁ!」

爽子は仕事のため先に家を出ていき、その後賢雄と世莉も家を出た。

助手席に乗せ、シートベルトをしめる。
そして車椅子をトランクにしまい、賢雄は運転席に乗り込んだ。

世莉の頭を撫でて「よし!行くぞ?」と微笑み、ゆっくり発進してマンションを出た。

「にぃに、何処に行くの?」

「○○でさ、今祭りがあってるらしくて!
ちょっと距離があるけど、山の上だから涼しいし、車椅子でも行けるようにバリアフリーらしいし、良いかなって!」

「そっか!
楽しみ!」 

しばらく楽しく会話しながら走っていると、少しずつ世莉の口数が少なくなりだす。

一度休憩のため、サービスエリアに停める。

隣を見ると、世莉は眠っていた。

「フフ…可愛いな…」

愛おしそうに微笑み、世莉の頬に触れた。
柔らかくて、気持ちいい感触の世莉の頬。

愛しい気持ちが溢れ出していく。
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