シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
会場に着いて、賢雄に車椅子を押してもらいながらゆっくり見て回る。

「世莉、なんか食いたいもんある?」

出店がたくさん並んでいる。
それを見渡しながら、世莉が「うーん…」と考える。

「何か食べてみたいけど、にぃにが食べるのを一口もらうのがいい!」

「フフ…そっか!
じゃあ…たこ焼きは?」

「うん、食べる!」

たこ焼きを購入したが、座るところがなくて、近くの石段に腰掛けた賢雄。

たこ焼きを一つ爪楊枝で刺して息を吹きかけ、世莉の口元に持っていく。

「世莉、あーん!」

世莉がパクっと、食いつく。
まだ少し熱くて、ホクホクしながらゆっくり食べた世莉。

「わりぃ…熱かったか?(笑)」

口いっぱいを頬張った世莉が、コクコクと頷く。
ゆっくり食べて「でも、美味しいよ!」と笑った。
賢雄も一つ頬張って「ん!旨っ!」と笑う。

「にぃに」

「ん?食う?」

「ううん。
にぃにの隣座る!」

「んー、ここはやめとこ?
結構尻いてぇし…(笑)な?」

「………」

「ほら、たこ焼き!食え!」
あーんと、口元に持っていく。

パクッと食べた世莉が「もういらない」と言う。

「もう一個食っとけ!
二個しか食ってないだろ?」 

「………うん」

そして賢雄はたこ焼きだけでは少ないので、他にも食べようと見て回る。

「おっ!焼き鳥食おうっと!」

購入し、今度はベンチが空いていたので座り、大きめの焼き鳥を頬張る。

「んん〜旨っ!」

「にぃに、美味し?」

「ん!旨いよ?
食べる?」

「でも、大きい…」

「食えるだけ、かじっていいから!」

賢雄が口元を持っていき、世莉はかぶりついた。

「ん…」

「美味しい?」

「うん、美味しい……!」

「フフ…かじってるのでさえ、可愛いな!」

「恥ずかしいよ…//////」


それから―――――

奥の方でビンゴ大会が行われていて、そこに行ってみることにした二人。

ビンゴ用紙を一枚貰い、世莉が車椅子なので前の方に誘導してもらった。

「もう始まってて、既に出た数字は横に記載してるのでそれはあけてください。
一列揃ったら、手を挙げて知らせてください!」
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