シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
「――――おっ!三人目のビンゴ、出ました〜!」

ビンゴが三人出て、9個の景品が後6個になる。

ステージに大きなビンゴ表があって、好きな数字を選んで景品をもらう仕組みだ。

「3番でお願いします」

「3番は……
おっ!お掃除セットで〜す!
洗剤はもちろん、ウェットシートなど色々入ってますよ!
おめでとうございます!」

「はい、続けていきますよ〜!
…………38!!
38ですよ!
ビンゴいませんか〜?」

「なかなかないね…(笑)にぃに」
「だな(笑)
まぁ…そう簡単にはな……(笑)
あ、でも世莉。
あと61が出たら、ビンゴじゃん!」

「え?
…………あ!ほんとだ!
縦と横ばっか見てた(笑)」

「では、次は……63!!」

「あ!お、惜しい…」
「フフ…」

「いませんか〜?
63ですよ~
…………じゃあ…次、いきまーす!
………61!!」

「「あ!!」」

「ビンゴ!」と賢雄が手を挙げた。

「おっ!!
四人目出ました〜!
ステージへどうぞ〜!
あ、でも、車椅子のお姉さんですね。
ちょっと待っててくださいね!
スタッフがお手伝いしますので!」

スタッフが二人来て「僕達で車椅子上げます」と声をかけてきた。

「じゃあ俺が抱き上げるんで、車椅子をお願いします。
世莉、ほら!」

「え……上、嫌…」

「俺もいるよ?
せっかくだし、行こう?」

緊張で固まっている世莉に微笑み、抱き上げた。
ステージに上がり、車椅子に乗せる。

「おめでとうございまーす!
では、番号をどうぞ?」

「世莉、どれにする?」
「………」
固まっている、世莉。

「お姉さん、緊張されてる?(笑)」

「あー、すみません(笑)」

「じゃあ…彼氏さん?いや、旦那さんかな?
旦那さんに選んでもらいましょう!」

「………」
(旦那?
俺達、夫婦に見えるの?
ヤベェ…嬉しい…!)

「ん?旦那さん?」

「あ、えーと……6で!」

「はい、6番ですね!
…………おおっ!!三万円分の商品券でーす!!
おめでとうございまーす!」

下に下ろしてもらい、会場を出た。

「得したな!」
「うん」

「せっかくだし、なんか美味しいもん食べて帰ろ?
爽姉にもなんか、土産買ってさ!」

「うん」

なんだか元気のない世莉。
賢雄は、世莉の足元にしゃがんで見上げ頬に触れた。
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