シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
アケチにすぐに連絡すると……

『え!?
今日私、お休み届け出してましたよね!?』

アケチは休暇届を出していたらしいのだ。
しかしクキカワサイドは、その休暇届を受けていない。

事務所内を確認するが、書類がないのだ。

『え……でも私…出して……』

「でもないのよね……
とりあえず、アケチさんももう一度鞄とか見てみてくれる?
世莉さんのところには、私が急遽訪問するから!」


「――――申し訳ありません!
アケチさんはお休み届けを出していたらしく、こちらが把握できてなくて訪問出来てませんでした。
今から私が訪問させていただきます!
世莉さんに、そうお伝えください!」

『わかりました。
よろしくお願いします』


『―――――うん、わかった。
でも私、もういいよ?
お昼ご飯食べなくても平気だし』

「ダーメ!
ただでさえ、少ねぇんだから!
ちゃんと食っとけ!」


15分程して、クキカワが訪問してきた。

「世莉さん、申し訳ありません!」

「あ、大丈夫ですよ!
事故に遭ってたら…って思って、それで連絡を……」

「アケチさんはお休み届けを出してたみたいなんですが、こちらが把握できてなくて…」

「そうなんですね」

「すぐに、お昼ご飯作りますね!」

クキカワが手早く昼食を作り、世莉が食べていると……

「世莉さん、相談があるんですが……」  

「はい」 

「調理のケアなんですが、男性ヘルパーがケアすること受け入れてもらうこと出来ますか?」

「え……お、男の人です…か…?」

「もちろん、基本的には、実平さん、アケチさん、イリエさんで変わりないです。
でも、三人のお休みの日の代行での話で……
私が対応出来ればいいんですが、最近新規のお客様が増えてて、代行がちょっと難しくなってきてて……
できる限り三人で回しますが、どうしようも出来ない時、ご了承頂けないかなと思って……」

「………」

正直、嫌で堪らない。
ただでさえ、人見知りで初対面の相手と打ち解けるのにかなりの時間を要する。

だからといって、断れない。

世莉は「わかりました」と受け入れるのだった。
< 36 / 46 >

この作品をシェア

pagetop