シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
賢雄が出ていくと、世莉はタブレットで動画を見たり、テレビを見たり、小説を読んだりして自由に過ごす。
世莉は特別支援学校を卒業後、自分でも出来る仕事を探すつもりだったが、賢雄が猛反対。
「俺が一生傍にいて、守ってやる」と宣言され、爽子や賢雄のいない日中は家の中にいる。
今日世莉は“ある人に”連絡をするため、スマホを操作していた。
【おはようございます!
にぃにとねぇね、仕事行きました(•‿•)
よろしくお願いします!】
同じマンションの最上階に住む、世莉達と家族ぐるみの付き合いをしている女性・実平にメッセージを送った。
(元々は、亡くなった両親の友人)
すると、電話がかかってきた。
『せっちゃん、もしもし?』
「はい」
『とりあえず、今から行くから!』
「はい、よろしくお願いします」
約5分後、チャイムが鳴る。
玄関に向かい、鍵を開けた。
「せっちゃーん!おはよう〜」
歳は50代で、ヘルパーの仕事をしている実平。
夫は大企業の管理職で、金持ち。
でも、元々から人の世話をするのが好きな実平。
それもあり、ヘルパー事業所で働いているのだ。
とにかく明るい性格で、世莉達にとって母親のような温かさと安心感をくれる人だ。
「どうぞ!」
中に入ると、実平がビニール袋を渡してきて中身を見せた。
「見て!苺!美味しそうでしょ?」
「わぁ…大きい……!」
世莉は、果物が好きだ。
「でしょ?
今日、三人で食べて?
冷蔵庫、入れとくわね!」
「はい、ありがとうございます…!」
「いいえ!
……………それで、ヘルパーの件よね?」
「はい」
爽子と賢雄に内緒で、実平に相談をしていた世莉。
実平の勤めるヘルパー事業所なら、安心だと思ったからだ。
実平が真剣な眼差しになる。
世莉も、実平を見据えた。
「でも、どうして?」
「今年、にぃにが就職したから…かな?
ねぇねにも負担ばっかだし…」
「そっか!
……………うん。私もその方がいいと思う!
爽ちゃんやけんくんの介護負担軽減もだけど、何よりせっちゃんにも、二人以外の他人とも関わった方がいいと思うから!」
「おばさんはヘルパーさんとして来てくれますか?」
「うーん…
そうねぇ…
できる限り、調整はしてみるけど……
でもそれよりも、爽ちゃんとけんくんはこのこと知らないのよね?」
「あ…はい…」
「まずは、二人に納得してもらわなきゃよ?」
世莉は特別支援学校を卒業後、自分でも出来る仕事を探すつもりだったが、賢雄が猛反対。
「俺が一生傍にいて、守ってやる」と宣言され、爽子や賢雄のいない日中は家の中にいる。
今日世莉は“ある人に”連絡をするため、スマホを操作していた。
【おはようございます!
にぃにとねぇね、仕事行きました(•‿•)
よろしくお願いします!】
同じマンションの最上階に住む、世莉達と家族ぐるみの付き合いをしている女性・実平にメッセージを送った。
(元々は、亡くなった両親の友人)
すると、電話がかかってきた。
『せっちゃん、もしもし?』
「はい」
『とりあえず、今から行くから!』
「はい、よろしくお願いします」
約5分後、チャイムが鳴る。
玄関に向かい、鍵を開けた。
「せっちゃーん!おはよう〜」
歳は50代で、ヘルパーの仕事をしている実平。
夫は大企業の管理職で、金持ち。
でも、元々から人の世話をするのが好きな実平。
それもあり、ヘルパー事業所で働いているのだ。
とにかく明るい性格で、世莉達にとって母親のような温かさと安心感をくれる人だ。
「どうぞ!」
中に入ると、実平がビニール袋を渡してきて中身を見せた。
「見て!苺!美味しそうでしょ?」
「わぁ…大きい……!」
世莉は、果物が好きだ。
「でしょ?
今日、三人で食べて?
冷蔵庫、入れとくわね!」
「はい、ありがとうございます…!」
「いいえ!
……………それで、ヘルパーの件よね?」
「はい」
爽子と賢雄に内緒で、実平に相談をしていた世莉。
実平の勤めるヘルパー事業所なら、安心だと思ったからだ。
実平が真剣な眼差しになる。
世莉も、実平を見据えた。
「でも、どうして?」
「今年、にぃにが就職したから…かな?
ねぇねにも負担ばっかだし…」
「そっか!
……………うん。私もその方がいいと思う!
爽ちゃんやけんくんの介護負担軽減もだけど、何よりせっちゃんにも、二人以外の他人とも関わった方がいいと思うから!」
「おばさんはヘルパーさんとして来てくれますか?」
「うーん…
そうねぇ…
できる限り、調整はしてみるけど……
でもそれよりも、爽ちゃんとけんくんはこのこと知らないのよね?」
「あ…はい…」
「まずは、二人に納得してもらわなきゃよ?」