シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
「この交換ノートからは、お姉さんとお兄さんの世莉さんに対する愛情しか感じられません。
世莉さんが少しでも不安にならないように、寂しい思いをさせないように……っていう精一杯の愛情しか見えません。
“果物の方を多めにしてください。せっちゃんが好きなので”
“カルピスは、少し濃い目で作ってください、世莉は濃い目が好きなので”
“世莉が…せっちゃんが…”って!
そんな二人が、世莉さんを“迷惑だなんて”思ってるわけないです!」

「はい、そうですよね…!」

「僕、なんとなくわかりますよ?」

「え?」

「世莉さんのこと、事務所でよく聞くんです。
とっても素直で健気な、可愛い人って!」

「そ、そんな…/////
恥ずかしいです…//////」

「人見知りだからなかなか笑顔を見せてくれないけど、精一杯コミュニケーションをとろうしてる所が健気で可愛いって。
でも、お姉さんとお兄さんや青神の話をするとふわって笑って、それが可愛くて癒されるって!
実平さんも言ってますよ?
凄く甘えん坊だけど、せっちゃんはワガママは言わない。
だから、絶対相手を困らせることはしない。
気遣いが出来て、相手のことをちゃんと考えられる素敵な女性なの!って!
昨日初めて会って、実平さん達の言ってる意味がわかりました!
だからお姉さんとお兄さんも、大切にしてるんじゃないかな?」

「ありがとうございます/////」


そして最後、ツクイが言っていた。

“もし僕が、世莉さんの彼氏だったら……
僕も大切にすると思います!
介護がどんなに大変でも、傍でずっと守りたいって思うと思います!”


「同じようなこと、誰か……
あ!一歩さんだ。
それに………
…………にぃにも……」

世莉は、窓の外を眺めた。

「恋人か……」

ポツリと呟く。

でも今は、本当に恋人が欲しいとは思わない。



むしろ―――――
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