シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
「――――ただいま!」
賢雄が元気よく帰ってくる。
すると、ちょうど世莉の部屋から、シーと人差し指を立てた爽子が出てくる。
「おかえり…」
小声で言ってくる、爽子。
賢雄は「あ…」と気づいたように、小声で「寝た?」と言う。
「つい今しがた。
ほんとさっきまで、けんくんの帰りを待ってたのよ?
“にぃににおやすみなさい”って言って寝るって言ってて(笑)」
「そっか!
ちょっと、顔見てくる」
音をたてないように、引き戸を開けて部屋に入る。
気持ちよさそうに世莉が眠っていた。
ベッドサイドに腰掛け、顔を覗く。
頬に触れた。
“世莉ちゃん、結婚するならにぃにみたいな人が良いって!!”
一歩の言葉が、頭の中に蘇った。
「俺も…世莉が良い……!」
世莉しか考えられない。
ゆっくり顔を近づける。
口唇にキスしようとすると………
「――――けんくん…!!!」
爽子の声が、部屋に響いた。
「……っ…え?爽姉…」
「“何してるの?”」
「………」
「せっちゃんが起きる。
こっち!」
いつになく、険しい表情の爽子。
賢雄は“何かを察したように”部屋を出た。
「私はね、けんくん。
けんくんとせっちゃんの、お父さんとお母さんとお姉さんの三役なの」
「あぁ、そうだな」
「だからこそ、言う!
けんくんとせっちゃんは“兄妹なの”
血は繋がってなくても、兄妹!
わかるよね?」
「俺は、世莉を妹って思ったことない」
「けんくん!!」
「爽姉もわかってるんだろ?
俺が、世莉を“女として”愛してること」
「………」
「爽姉、俺は世莉と生きていきたい……!」
賢雄の真っ直ぐ過ぎる視線が、爽子を突き刺していた。
賢雄が元気よく帰ってくる。
すると、ちょうど世莉の部屋から、シーと人差し指を立てた爽子が出てくる。
「おかえり…」
小声で言ってくる、爽子。
賢雄は「あ…」と気づいたように、小声で「寝た?」と言う。
「つい今しがた。
ほんとさっきまで、けんくんの帰りを待ってたのよ?
“にぃににおやすみなさい”って言って寝るって言ってて(笑)」
「そっか!
ちょっと、顔見てくる」
音をたてないように、引き戸を開けて部屋に入る。
気持ちよさそうに世莉が眠っていた。
ベッドサイドに腰掛け、顔を覗く。
頬に触れた。
“世莉ちゃん、結婚するならにぃにみたいな人が良いって!!”
一歩の言葉が、頭の中に蘇った。
「俺も…世莉が良い……!」
世莉しか考えられない。
ゆっくり顔を近づける。
口唇にキスしようとすると………
「――――けんくん…!!!」
爽子の声が、部屋に響いた。
「……っ…え?爽姉…」
「“何してるの?”」
「………」
「せっちゃんが起きる。
こっち!」
いつになく、険しい表情の爽子。
賢雄は“何かを察したように”部屋を出た。
「私はね、けんくん。
けんくんとせっちゃんの、お父さんとお母さんとお姉さんの三役なの」
「あぁ、そうだな」
「だからこそ、言う!
けんくんとせっちゃんは“兄妹なの”
血は繋がってなくても、兄妹!
わかるよね?」
「俺は、世莉を妹って思ったことない」
「けんくん!!」
「爽姉もわかってるんだろ?
俺が、世莉を“女として”愛してること」
「………」
「爽姉、俺は世莉と生きていきたい……!」
賢雄の真っ直ぐ過ぎる視線が、爽子を突き刺していた。