シスコンでは終われない〜俺と妹と…時々姉〜
「「どうして……!!?」」

「二人の介護負担を軽減したいから!」

「私達は大丈夫よ?
けんくんなんか、好きで世話してるんだし!」
「そうだよ!
負担だなんて思ったことねぇよ?」

「それに、日中寂しくて……」

「「え?」」

「にぃにが就職するまでは、授業以外は家に帰ってきてくれてたでしょ?
ねぇねもシフト制だから、二人が私が寂しくないようにしてくれた。
でもにぃにが就職してから、当然日中は家に帰れないし、たまたまだろうけど、ねぇねも手術が増えたから帰れない事が多くなった。
それが重なって、寂しいなって!
でも、ワガママ言えない。
二人は、一生懸命仕事してるんだもん!
だからね。
一石二鳥だと思って!
ヘルパーさんに、お昼ご飯作りとお風呂を入れを頼めれば、ねぇねが楽でしょ?」

風呂は毎日爽子と一緒に入り、介助してもらっている世莉。
ヘルパーに入浴を頼めれば、爽子が一人でゆっくり風呂に入り、仕事の疲れを癒せるのでは?と考えたのだ。

「でね?
時間次第だけど、掃除とかもしてもらえるんだって!
そしたら、にぃにも楽でしょ?
それに私がヘルパーさんに慣れたら、一緒に近くのコンビニについてきてもらってお買い物も出来るんだって!」

少し興奮気味の世莉に、爽子は何も言えなくなる。
世莉なりに色々考えてくれたことを、反対できなかった。

「わかった……!
せっちゃんがそう言うなら……!」

一度頼んでみて、どうしてもダメなら止めればいい。
そう思い直し、爽子は頷いた。

一方の賢雄は………

「俺は、受け入れられない…」
世莉を見据えて言う、賢雄。

世莉の気持ちはわかるが、なんだか…世莉が突然遠くへ行ったような気がして寂しくなったからだ。

“このままでは、俺から世莉が離れてしまう”

そんな気になっていた。

しかし世莉の意思はかたく、爽子にも「とりあえず、せっちゃんの思い通りにしてあげよ?」と言われ、納得できないまま話が進んでいく。

「途中で止めることも出来るんだし、一度やらせてみよ?」

再度爽子にそう言われ、賢雄はしかたなく頷くのだった。
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