バイ・アンド・バイ
「───……あやせ……?」
息を呑む。
心臓が飛び出るかと思った。
聞こえたのは、か細く、消え入りそうな声。
それは間違いなく、目の前の男から発されたもの。
「あ、……あの、」
戸惑いのなか、言葉をかけようとした──刹那。
目の前の男の顔がゆっくりとあげられた。
と同時に突風が吹き、フードで深く覆われていた男の顔があらわになり、
───そして、目を、奪われた。
「…………綺麗……」
暗闇でさえも照らしてしまいそうなほど
心の内が思わずあふれ出てしまうほど
私の瞳に映る男の髪は、
強く惹き込まれるくらい、美しい金色の髪をしていた。