140字小説・桜
近づいて初めて気づいた。

近づいて初めて気づいた。

いつの間にか私のきみが私の背を追い越していたことに。

年齢的に異性と離れる時期を経て久々に近くに立つきみは目の形も顔の輪郭も変わっていた。

少し物寂しさを覚えながらも、今、きみの隣にいる私は。

ただただはやる心臓と火照る頬に手を焼いていた。

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