140字小説・桜
真っ赤なショルダーバッグ。

真っ赤なショルダーバッグ。

おばあちゃんからもらった年代物。

オシャレというには地味な恰好を好む祖母だけど、このバッグは大切にしていた。

『じい様が守ってくれるように感じていたの。今度は貴女を守ってねってことよ』

おばあちゃんは九十五歳。焼肉屋で一人前を軽々平らげる。

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