140字小説・桜【完】
急な夕立にあってしまった。

急な夕立にあってしまった。

急いでバス停の屋根の下に逃げる。

コンビニもない田舎ではこの避難場所は貴重だ、

雨雲が連れてくる夏。

去年は隣にいた君。

今はひとりの僕。

心にぽっかり空いた穴はそのまま残っている。

夏、君は帰ってくるのだろう。

僕は会いに行く。君に手を合わせるために。

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