140字小説・桜【完】
番犬くん。

番犬くん。

うちのわんこはそう呼ばれていた。

捨て犬だったのだろう。

ある雨の朝、家の軒下で丸まって震えていた。

首輪はない。動物病院に迷い犬はないか聞いたけど収穫はなし。

うちの庭先にいるその子は、知らないひとには吠える番犬になった。

今は、後輩に吠え方を教えているから少し賑やかだ。

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