140字小説・桜【完】
のどかな温泉街。

のどかな温泉街。

母を連れてやってきた。

一人で私を育ててくれた母に、温泉でゆっくりしてもらいたいという長年の夢を叶えられた。

お店が立ち並ぶ中隣を歩く母は、顔にはシワができて指も節が目立つ。

話ながら歩き、泣きそうになるのを必死に笑顔で誤魔化した。

必ずまた、連れてこよう。

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