目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
「どうして、どうしてわかってくれないんですか。俺は何度も言いましたよね。俺がローラ様と一緒にいるのは責任からでも後悔からでもない、負い目を感じているわけでもない。あなたのことをずっとずっと思っているからだと。俺が俺の意志であなたの側にいるんです。あなたと一緒に生きていきたいんですよ。どうしてわかってくれないんだ」
苦し気に、声を荒げないよう必死でこらえながらもヴェルデは賢明に訴えかける。ローラを見るその瞳は悲しさと怒りを含んで切なげに揺れている。そんなヴェルデを見てローラの胸は張り裂けそうになった。
「……わかっているんです。ヴェルデ様は責任からでも後悔からでもなく、ただ私のことを思って一緒にいてくれることも、私の居場所を作ってくださったことも」
「だったら!」
「でも、それでも、私はどうしてもオーレアン興に言われた言葉が胸にひっかかるのです。私のせいで、ヴェルデ様はご自分の夢を、寿命を延ばしてまで魔法の研究を続けるということを諦めてしまった。それにそもしかしたら今後ヴェルデ様にふさわしい素敵な女性が現れるかもしれない。その時、私という存在が足かせとなってしまうとしたら、嫌なのです。そして、私のせいでこうしてヴェルデ様は苦しい思いをしています。ヴェルデ様には笑っていてほしいのに、幸せでいてほしいのに、私のせいで苦しんで悲しんでいる。そんな思いはもうさせたくないのです」
もう二度とヴェルデを悲しませたり傷つけたくない。ローラにとってそれほどまでにヴェルデの存在は大きく膨らんでいる。
「私は、……私にとってヴェルデ様は、大切な存在です。私はきっと、……ヴェルデ様を、愛してしまった」
悲し気に微笑み、か細い声で言うローラの言葉を聞いたヴェルデは、両目を大きく見開いた。
苦し気に、声を荒げないよう必死でこらえながらもヴェルデは賢明に訴えかける。ローラを見るその瞳は悲しさと怒りを含んで切なげに揺れている。そんなヴェルデを見てローラの胸は張り裂けそうになった。
「……わかっているんです。ヴェルデ様は責任からでも後悔からでもなく、ただ私のことを思って一緒にいてくれることも、私の居場所を作ってくださったことも」
「だったら!」
「でも、それでも、私はどうしてもオーレアン興に言われた言葉が胸にひっかかるのです。私のせいで、ヴェルデ様はご自分の夢を、寿命を延ばしてまで魔法の研究を続けるということを諦めてしまった。それにそもしかしたら今後ヴェルデ様にふさわしい素敵な女性が現れるかもしれない。その時、私という存在が足かせとなってしまうとしたら、嫌なのです。そして、私のせいでこうしてヴェルデ様は苦しい思いをしています。ヴェルデ様には笑っていてほしいのに、幸せでいてほしいのに、私のせいで苦しんで悲しんでいる。そんな思いはもうさせたくないのです」
もう二度とヴェルデを悲しませたり傷つけたくない。ローラにとってそれほどまでにヴェルデの存在は大きく膨らんでいる。
「私は、……私にとってヴェルデ様は、大切な存在です。私はきっと、……ヴェルデ様を、愛してしまった」
悲し気に微笑み、か細い声で言うローラの言葉を聞いたヴェルデは、両目を大きく見開いた。