目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
29 気持ちの重さ
「私は、……きっと私はヴェルデ様のことを愛してしまった」
ローラの言葉を聞いたヴェルデは両目を見開き、息をのんだ。
「ヴェルデ様と一緒に過ごすうちに、ヴェルデ様の優しさや暖かさが本当に嬉しくてたまらなくなりました。私を見つめてくれるその眼差しも、優しく握ってくれるその手も、どれもが愛おしくて仕方ないのです」
「だ、だとしたらそれこそ何も問題ないじゃないですか!どうして」
ヴェルデがローラの両手を強く握りそう言うと、ローラは悲し気に首を振った。
「だからです。一緒にいればいるほど好きになってしまう。私は、百年も眠っていた人間です。実際であればヴェルデ様よりもずっと年上で、生きていた時代が違います。こんな古臭い人間など、今はよくてもいずれ邪魔になるかもしれない。一緒にいて私のことを知れば知るほど、がっかりしてしまうかもしれない。いつかヴェルデ様の前に素敵な女性が現れて、私など必要ないと言われてしまうかもしれない」
目を伏せながらぽつり、ぽつりと話すローラ。そんなローラを、ヴェルデは驚愕の眼差しで見つめる。
「私は、ズルいのです。私は、いつかヴェルデ様の元にいられなくなるかもしれないと、それならばいっそ今のうちに突き放されてしまえばいいと、そう思っているのです。ズルいでしょう?あなたを愛してしまったと言ったところで、それすらもあなたを縛る鎖になってしまうかもしれないのに。突き放されたいのに縛り付けるだなんて、本当に身勝手でズルい女なのです、私は」
両目に涙を浮かべてローラは静かに微笑んだ。その微笑に、ヴェルデの胸はギュッと潰されそうになる。
「……ズルくなんてないです。むしろ、ローラ様のその言葉が俺を縛る鎖になるのなら、喜んで縛られます。ずっとほどけなくていい。ずっと縛り付けていてほしい」
ジッとローラの目を見つめて静かにヴェルデは言った。
ローラの言葉を聞いたヴェルデは両目を見開き、息をのんだ。
「ヴェルデ様と一緒に過ごすうちに、ヴェルデ様の優しさや暖かさが本当に嬉しくてたまらなくなりました。私を見つめてくれるその眼差しも、優しく握ってくれるその手も、どれもが愛おしくて仕方ないのです」
「だ、だとしたらそれこそ何も問題ないじゃないですか!どうして」
ヴェルデがローラの両手を強く握りそう言うと、ローラは悲し気に首を振った。
「だからです。一緒にいればいるほど好きになってしまう。私は、百年も眠っていた人間です。実際であればヴェルデ様よりもずっと年上で、生きていた時代が違います。こんな古臭い人間など、今はよくてもいずれ邪魔になるかもしれない。一緒にいて私のことを知れば知るほど、がっかりしてしまうかもしれない。いつかヴェルデ様の前に素敵な女性が現れて、私など必要ないと言われてしまうかもしれない」
目を伏せながらぽつり、ぽつりと話すローラ。そんなローラを、ヴェルデは驚愕の眼差しで見つめる。
「私は、ズルいのです。私は、いつかヴェルデ様の元にいられなくなるかもしれないと、それならばいっそ今のうちに突き放されてしまえばいいと、そう思っているのです。ズルいでしょう?あなたを愛してしまったと言ったところで、それすらもあなたを縛る鎖になってしまうかもしれないのに。突き放されたいのに縛り付けるだなんて、本当に身勝手でズルい女なのです、私は」
両目に涙を浮かべてローラは静かに微笑んだ。その微笑に、ヴェルデの胸はギュッと潰されそうになる。
「……ズルくなんてないです。むしろ、ローラ様のその言葉が俺を縛る鎖になるのなら、喜んで縛られます。ずっとほどけなくていい。ずっと縛り付けていてほしい」
ジッとローラの目を見つめて静かにヴェルデは言った。