目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
10 仕事仲間
「誰だ、お前」
黒髪の短髪で黄緑色の瞳をしたその男は、ピリついた雰囲気をまといながらローラに向かって尋ねた。年齢はヴェルデと同じ二十代半ばくらいといったところだろうか。
「フェイン!ちょうどいいところに来たな。紹介するよ、俺の婚約者のローラ様だ。ローラ様、こちらは仕事仲間のフェインです」
「は?……婚約者?何を言って」
両目を見開き驚いた顔でそのフェインと呼ばれた男はヴェルデとローラを見る。だが、笑顔を崩さないばかりかローラの手を握ったままのヴェルデを見て、フェインは真顔になった。
「……マジか。お前、どういう風の吹き回しだよ。研究しかしたくない、女はいらないとあれだけ言っていたくせに」
(やっぱり、ヴェルデ様が婚約するというのはそれだけありえないことなのね)
戸惑いながらフェインを見つめていると、フェインはローラの顔を見て眉をしかめた。
「それに、ローラ様、ってなんだよ。婚約者に様をつけるのはおかしいだろ」
そう言われて、思わずヴェルデとローラは目を合わせ、ヴェルデは苦笑した。
「確かに……いや、これには理由があるんだ」
黒髪の短髪で黄緑色の瞳をしたその男は、ピリついた雰囲気をまといながらローラに向かって尋ねた。年齢はヴェルデと同じ二十代半ばくらいといったところだろうか。
「フェイン!ちょうどいいところに来たな。紹介するよ、俺の婚約者のローラ様だ。ローラ様、こちらは仕事仲間のフェインです」
「は?……婚約者?何を言って」
両目を見開き驚いた顔でそのフェインと呼ばれた男はヴェルデとローラを見る。だが、笑顔を崩さないばかりかローラの手を握ったままのヴェルデを見て、フェインは真顔になった。
「……マジか。お前、どういう風の吹き回しだよ。研究しかしたくない、女はいらないとあれだけ言っていたくせに」
(やっぱり、ヴェルデ様が婚約するというのはそれだけありえないことなのね)
戸惑いながらフェインを見つめていると、フェインはローラの顔を見て眉をしかめた。
「それに、ローラ様、ってなんだよ。婚約者に様をつけるのはおかしいだろ」
そう言われて、思わずヴェルデとローラは目を合わせ、ヴェルデは苦笑した。
「確かに……いや、これには理由があるんだ」