目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
「俺は、ヴェルデに拾われたようなもんなんだ。身寄りがなくていろんな仕事を転々としながら生活してたんだけど、ある時ヴェインが俺の魔法の才能を見出してくれたんだよ。研究を手伝ってくれと言われて、それからずっと一緒に研究ばかりしてきた。ヴェルデのお陰で俺は仕事も地位もまともに得ることができた。俺は人付き合いも上手くないし好きじゃない。あいつも研究さえしていればいいというタイプの人間だったから、これからもずっと二人で研究だけして生きていくとばかり思ってたんだ。そしたら突然あんたを連れてきて、婚約者だって言うんだぜ。一体どうしちまったんだろうって思うだろ」
研究をしながら苦楽を共にしてきた長年の友に、突然婚約者が現れた。そして今まではずっと一緒に研究していたのに、婚約者にかけられた魔法については自分だけで対応すると言う。疎外感を感じるのは無理もない。だが、ローラにはフェインからそれだけではない何かを感じていた。
「あの、このようなデリケートなことを聞くのは失礼かもしれませんが、フェイン様はヴェルデ様のことを、その、好きなのではありませんか。性別関係なく、といいますか、恋愛感情と言いますか、表現が難しいのですが」
ローラの問いに、フェインは両目を丸くして固まる。そして、顔を片手で覆うと盛大にため息をついた。
「いや、あんたが思ってるような感情ではないよ。この国は性別関係なく恋愛も結婚もできるし、誰も否定もしない。だけど、俺がヴェルデに思ってるのはそういうものではない、多分」
研究をしながら苦楽を共にしてきた長年の友に、突然婚約者が現れた。そして今まではずっと一緒に研究していたのに、婚約者にかけられた魔法については自分だけで対応すると言う。疎外感を感じるのは無理もない。だが、ローラにはフェインからそれだけではない何かを感じていた。
「あの、このようなデリケートなことを聞くのは失礼かもしれませんが、フェイン様はヴェルデ様のことを、その、好きなのではありませんか。性別関係なく、といいますか、恋愛感情と言いますか、表現が難しいのですが」
ローラの問いに、フェインは両目を丸くして固まる。そして、顔を片手で覆うと盛大にため息をついた。
「いや、あんたが思ってるような感情ではないよ。この国は性別関係なく恋愛も結婚もできるし、誰も否定もしない。だけど、俺がヴェルデに思ってるのはそういうものではない、多分」