目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
不服そうにムッとするヴェルデだが、その態度すらもやはり可愛いと思えてしまう。現時点でヴェルデの年齢は二十七歳だと言っていた。ローラは二十二歳だが、百年も眠り続けていたので実際であれば百歳を有に超えている。生きてきた時代も違うため、ローラにとってヴェルデは歳上というよりも歳下という感覚になってしまうのだ。
「ヴェルデ様は優秀な方ですし、それだけの美貌の持ち主なのですから、きっと褒め慣れていらっしゃるのだとばかり思っていました。でも、そうやって照れてしまうなんて、新鮮でとても可愛らしいです」
嬉しそうに微笑むローラを見て、今度こそヴェルデは不満げに表情を曇らせ、少し屈んでローラの顔の前に自分の顔を近づけた。
「俺がこうなってしまうのはローラ様だからです。他の人だったらこんな風にならない」
美しい銀色の髪をふわりとなびかせ、アクアマリン色の澄んだ瞳でじっとローラを見る。その海のように深く美しい瞳に引き込まれてしまいそうで、ローラは胸が高鳴った。
(そういえば、さっきからヴェルデ様はご自分のことを俺、と呼んでいるわ)
昨日も一瞬だけ俺と言っていたが、今日はずっと俺と言っている。今までの「私」ではなく「俺」という言葉を使うようになったヴェルデに気づき、ローラの胸はさらにドクンと大きく波打った。それに、口調も少しずつだが砕けている。その変化に気づいて身体中の血が回り、顔に熱が集中していくのがわかる。
「どうしました、あんなに俺のことを可愛いと言って余裕そうだったのに、今は顔が真っ赤ですよ?」
フッと微笑むその顔はさっきまでの可愛らしい歳下の男の子のような顔ではなく、どう見ても歳上で色気のある男性の顔だ。あまりの恥ずかしさに目をそらしたいのに、どうしてもその顔から目が離せない。ローラは顔を赤らめながらヴェルデをじっと見つめていると、急に目の前が暗くなった。ローラはいつの間にかヴェルデに抱きしめられている。
「今はあなたの方が可愛らしいですよ。そんな可愛い顔で見つめられると、どうにかなってしまいそうだ」
「ヴェルデ様は優秀な方ですし、それだけの美貌の持ち主なのですから、きっと褒め慣れていらっしゃるのだとばかり思っていました。でも、そうやって照れてしまうなんて、新鮮でとても可愛らしいです」
嬉しそうに微笑むローラを見て、今度こそヴェルデは不満げに表情を曇らせ、少し屈んでローラの顔の前に自分の顔を近づけた。
「俺がこうなってしまうのはローラ様だからです。他の人だったらこんな風にならない」
美しい銀色の髪をふわりとなびかせ、アクアマリン色の澄んだ瞳でじっとローラを見る。その海のように深く美しい瞳に引き込まれてしまいそうで、ローラは胸が高鳴った。
(そういえば、さっきからヴェルデ様はご自分のことを俺、と呼んでいるわ)
昨日も一瞬だけ俺と言っていたが、今日はずっと俺と言っている。今までの「私」ではなく「俺」という言葉を使うようになったヴェルデに気づき、ローラの胸はさらにドクンと大きく波打った。それに、口調も少しずつだが砕けている。その変化に気づいて身体中の血が回り、顔に熱が集中していくのがわかる。
「どうしました、あんなに俺のことを可愛いと言って余裕そうだったのに、今は顔が真っ赤ですよ?」
フッと微笑むその顔はさっきまでの可愛らしい歳下の男の子のような顔ではなく、どう見ても歳上で色気のある男性の顔だ。あまりの恥ずかしさに目をそらしたいのに、どうしてもその顔から目が離せない。ローラは顔を赤らめながらヴェルデをじっと見つめていると、急に目の前が暗くなった。ローラはいつの間にかヴェルデに抱きしめられている。
「今はあなたの方が可愛らしいですよ。そんな可愛い顔で見つめられると、どうにかなってしまいそうだ」