目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
15 向けられた殺意
「いらっしゃい、よく来たね」
ヴェルデの師匠、クレイは玄関先で両手を広げて微笑み、二人を歓迎した。クレイの屋敷へはヴェルデの屋敷から馬車で数時間で行ける場所だったが、屋敷の周りは自然豊かで解放的だった。
クレイは透き通るような美しい金色の髪を片側でゆるりと結び、毛穴がないのではないかと思えるほどの美しい白い肌、光によって色が変わるオーロラ色の瞳、本当にこれが人間なのだろうかと思えるほどの美しさだ。
確かに誰もが虜になるほどの美貌と言うのは頷ける。だが、ローラは別段胸が高鳴ることも顔が赤くなることもなかった。むしろ、やっぱりヴェルデの方が美しいと思ってしまう。
「応接室に案内しよう、話はそこでゆっくりとしようじゃないか」
クレイはそう言って少し先を歩き始める。じっとクレイを見つめるローラをヴェルデは不安そうに見つめていたが、ローラはヴェルデに近づいて片手を口元に添えると、そっと小声で言った。
「確かに誰もが虜になる美貌と言われるのは納得です。ですが、私はヴェルデ様の方が素敵だと思いますよ」
そう言ってにっこりと微笑むローラを、ヴェルデは唖然として見つめ、すぐに両手で顔を覆った。
「今ここでそんなことを言うのは反則ですよ……!」
思ったことを素直に言っただけなのに、何か悪かったのだろうか。ローラが不思議そうにヴェルデを見つめていると、クレイが振り返ってくつくつと笑っていた。
「おやおや、女性が苦手なあのヴェルデが女性に翻弄されるだなんて面白いな」
「師匠!茶化さないでください!」
ヴェルデの師匠、クレイは玄関先で両手を広げて微笑み、二人を歓迎した。クレイの屋敷へはヴェルデの屋敷から馬車で数時間で行ける場所だったが、屋敷の周りは自然豊かで解放的だった。
クレイは透き通るような美しい金色の髪を片側でゆるりと結び、毛穴がないのではないかと思えるほどの美しい白い肌、光によって色が変わるオーロラ色の瞳、本当にこれが人間なのだろうかと思えるほどの美しさだ。
確かに誰もが虜になるほどの美貌と言うのは頷ける。だが、ローラは別段胸が高鳴ることも顔が赤くなることもなかった。むしろ、やっぱりヴェルデの方が美しいと思ってしまう。
「応接室に案内しよう、話はそこでゆっくりとしようじゃないか」
クレイはそう言って少し先を歩き始める。じっとクレイを見つめるローラをヴェルデは不安そうに見つめていたが、ローラはヴェルデに近づいて片手を口元に添えると、そっと小声で言った。
「確かに誰もが虜になる美貌と言われるのは納得です。ですが、私はヴェルデ様の方が素敵だと思いますよ」
そう言ってにっこりと微笑むローラを、ヴェルデは唖然として見つめ、すぐに両手で顔を覆った。
「今ここでそんなことを言うのは反則ですよ……!」
思ったことを素直に言っただけなのに、何か悪かったのだろうか。ローラが不思議そうにヴェルデを見つめていると、クレイが振り返ってくつくつと笑っていた。
「おやおや、女性が苦手なあのヴェルデが女性に翻弄されるだなんて面白いな」
「師匠!茶化さないでください!」