目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
◇
目尻に、涙が伝うのを感じて意識が戻る。フッと瞼を開くと、天井が見えた。
「ローラ様!」
声のする方を見ると、そこにはヴェルデが心配そうな顔でローラを見つめていた。
「ヴェルデ、 様……」
そうか、昔の夢を見ていたのだ。なぜ寝ていたのだろうかと思ったが、そういえばヴェルデの師匠であるクレイと話をしている最中に気絶してしまったのだった。
忘れていた記憶が夢に出てきて嫌でもはっきりと思い出される。あれは、過去に起こった現実だったのだ。
ゆっくりと体を起こすと、ヴェルデがそっと背中を支えてくれる。
「飲み物を持ってきましょう。それまで、ヴェルデと二人でゆっくり話でもしていてください」
そう言ってクレイは静かに部屋を出ていった。
「ローラ様、大丈夫ですか?」
「すみません、気を失ってしまったのですね」
申し訳なさそうに微笑むと、ヴェルデは辛そうな顔でローラを見つめ返す。
(そんな……辛そうな顔をしないで)
あまりにも苦しそうな、悲しそうなヴェルデの表情にローラは胸が押しつぶされそうになる。ふと、ヴェルデの指がローラの目尻へ静かに触れた。
目尻に、涙が伝うのを感じて意識が戻る。フッと瞼を開くと、天井が見えた。
「ローラ様!」
声のする方を見ると、そこにはヴェルデが心配そうな顔でローラを見つめていた。
「ヴェルデ、 様……」
そうか、昔の夢を見ていたのだ。なぜ寝ていたのだろうかと思ったが、そういえばヴェルデの師匠であるクレイと話をしている最中に気絶してしまったのだった。
忘れていた記憶が夢に出てきて嫌でもはっきりと思い出される。あれは、過去に起こった現実だったのだ。
ゆっくりと体を起こすと、ヴェルデがそっと背中を支えてくれる。
「飲み物を持ってきましょう。それまで、ヴェルデと二人でゆっくり話でもしていてください」
そう言ってクレイは静かに部屋を出ていった。
「ローラ様、大丈夫ですか?」
「すみません、気を失ってしまったのですね」
申し訳なさそうに微笑むと、ヴェルデは辛そうな顔でローラを見つめ返す。
(そんな……辛そうな顔をしないで)
あまりにも苦しそうな、悲しそうなヴェルデの表情にローラは胸が押しつぶされそうになる。ふと、ヴェルデの指がローラの目尻へ静かに触れた。