目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
◇
「師匠の屋敷の周辺は辺鄙な場所ですが自然が多く、景色だけはとても美しいんです。ぜひローラ様にも見せたくて」
そう言ってヴェルデが連れてきた場所は、屋敷近くの森の中を馬で少し走ったところにある洞窟の前だった。
ヴェルデに手を繋がれながら洞窟の中に足を運ぶ。もはや当たり前だというように自然に手を繋いでくるヴェルデに、ローラは何も言えない。それにヴェルデと手を繋ぐことはローラにとっても嫌なことではなく、むしろ嬉しく思えている。
(いつの間にかヴェルデ様と手を繋ぐのが待ち遠しくなっていて不思議だわ……ヴェルデ様の手は暖かくて大きくてホッとするもの)
ヴェルデが光魔法で暗闇を照らしながら進んで行くと、大きな空間のある場所にたどり着いた。
「一瞬だけ暗くなりますが、俺が隣にいますので心配しないでくださいね」
そう言って優しく微笑むと、ヴェルデは光魔法を消した。洞窟内は暗闇に包まれる。
(どうしましょう、何も見えないわ。ヴェルデ様が手を握ってくださっているから、すぐ隣にいるのはわかるのだけれど……)
ローラが戸惑っていると、洞窟内が突然少しずつ光だした。ほのかに光が一つ、二つとふえていく。次第に、洞窟内が天井も足元も全て蒼白く輝いていく。
「なんて綺麗なの……!」
ローラとヴェルデはまるで夜空の星々に囲まれているかのようだ。囲まれている、というより、星空の中に浮かんでいるようにも思えるほどだった。あまりの美しさにローラがほうっとため息をつくと、ヴェルデはローラを見て微笑んだ。
「師匠の屋敷の周辺は辺鄙な場所ですが自然が多く、景色だけはとても美しいんです。ぜひローラ様にも見せたくて」
そう言ってヴェルデが連れてきた場所は、屋敷近くの森の中を馬で少し走ったところにある洞窟の前だった。
ヴェルデに手を繋がれながら洞窟の中に足を運ぶ。もはや当たり前だというように自然に手を繋いでくるヴェルデに、ローラは何も言えない。それにヴェルデと手を繋ぐことはローラにとっても嫌なことではなく、むしろ嬉しく思えている。
(いつの間にかヴェルデ様と手を繋ぐのが待ち遠しくなっていて不思議だわ……ヴェルデ様の手は暖かくて大きくてホッとするもの)
ヴェルデが光魔法で暗闇を照らしながら進んで行くと、大きな空間のある場所にたどり着いた。
「一瞬だけ暗くなりますが、俺が隣にいますので心配しないでくださいね」
そう言って優しく微笑むと、ヴェルデは光魔法を消した。洞窟内は暗闇に包まれる。
(どうしましょう、何も見えないわ。ヴェルデ様が手を握ってくださっているから、すぐ隣にいるのはわかるのだけれど……)
ローラが戸惑っていると、洞窟内が突然少しずつ光だした。ほのかに光が一つ、二つとふえていく。次第に、洞窟内が天井も足元も全て蒼白く輝いていく。
「なんて綺麗なの……!」
ローラとヴェルデはまるで夜空の星々に囲まれているかのようだ。囲まれている、というより、星空の中に浮かんでいるようにも思えるほどだった。あまりの美しさにローラがほうっとため息をつくと、ヴェルデはローラを見て微笑んだ。